シナモンは独特な香りと風味で親しまれ、料理やスイーツだけでなく、代謝・消化の促進など健康目的でも使用され、オオサカ堂でもサプリメントを扱っています。
健康に良いと考えられているシナモンですが、一方で「肝臓に悪い」とも言われており、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
これは、シナモンに含まれる「クマリン」という成分が、肝臓に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
日常的に食品に使用する量であれば、シナモンは摂取しても安全であると考えられています(参考文献:シナモン|厚生労働省eJIM)。
この記事では、シナモンが肝臓に悪いと言われる理由や一日の摂取目安量、期待される美容効果について、薬剤師がわかりやすく解説します。
※本記事の内容は、診断や治療を目的とするものではありません。体調に不安がある場合は必ず医師にご相談ください。

【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
おかげさまで28年間、安心信頼の個人輸入代行・オオサカ堂のコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。薬剤師資格保有者が監修。
目次
- 【結論】シナモンが肝臓に悪いかは種類によってリスクが異なる
- シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選①成分のクマリンが肝機能に影響し得る
- シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選②サプリなど濃縮形態は総量が跳ねやすい
- シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選③カシアシナモンが肝機能に影響し得る
- シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選④“日々のちょい足し”での慢性的超過
- シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選⑤ハイリスク層(肝機能異常・妊娠/授乳・小児・服薬中)では感受性が高い
- シナモンの1日の摂取目安量
- 【効能】シナモンで白髪が減る?
- 【効能】シナモンでシミが減る?
- 「シナモン 肝臓に悪い」に関するよくある質問(Q&A)
- まとめ:シナモンは種類を選んで適量を守れば、肝臓に悪くない
【結論】シナモンが肝臓に悪いかは種類によってリスクが異なる
シナモンは、種類によって肝臓への影響リスクが異なります。
その種類は、「カシアシナモン」と「セイロンシナモン」の大きく2つに分けられます。
「カシアシナモン」は、肝機能に悪影響を及ぼす「クマリン」を多く含むため、摂り過ぎに注意が必要です。
一方、「セイロンシナモン」にはクマリンはほとんど含まれていません。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、カシアシナモンを長期間、大量に摂ると健康被害のおそれがあるとして、シナモンを頻繁に摂取する人は、クマリンの量が少ないセイロンシナモンを選ぶよう勧めています(参考文献:Cassia cinnamon with high coumarin contents to be consumed in moderation|BfR)。
シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選①成分のクマリンが肝機能に影響し得る
シナモンに含まれる「クマリン」は、大量に摂ると肝障害を引き起こすおそれがあります。
特にクマリンに過敏な人は、少量でも数週間の摂取で肝酵素が上昇し、重症化すると肝炎や黄疸につながる可能性があります。
しかし、クマリンが肝臓に悪影響を及ぼす具体的なメカニズムは、まだ明らかになっていません(参考文献:FAQ on coumarin in cinnamon and other foods|BfR)。
なお、欧州食品安全機関(EFSA)はクマリンの1日当たりの摂取量(TDI)を体重1kgあたり0.1mgと設定しています(参考文献:Beware of overconsumption of herbal supplements containing coumarin|ANSES)。
シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選②サプリなど濃縮形態は総量が跳ねやすい
シナモンをサプリメントなど凝縮された形で摂取すると、肝臓へのリスクが高まりやすくなります。
シナモンは独特な味と香りがあるので、食品から大量に摂ることは稀ですが、サプリメントは成分を凝縮しているため、手軽に高用量が摂取でき、総量が跳ねやすいのが特徴です。
東京都の調査では、シナモンサプリメントに含まれるクマリンの量は平均2,600 µg/gと報告されています。
サプリメントに加えて他にもシナモン含有食品を摂ると、TDIを超える可能性があります(参考文献:シナモン含有食品のクマリン分析法及び実態調査|東京都健康安全研究センター)。
サプリメントは、知らないうちに高用量を摂取してしまうので注意が必要です。
シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選③カシアシナモンが肝機能に影響し得る
シナモンの中でも「カシアシナモン」は、肝臓へのリスクが指摘されています。
肝機能に影響するクマリンが多く含まれており、ドイツの調査ではカシアシナモン1kgあたり平均3g(3mg/g)のクマリンが検出されました(参考文献:FAQ on coumarin in cinnamon and other foods|BfR)。
このためドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、シナモンを頻繁に大量摂取する人は、クマリン量の少ないセイロンシナモンを選ぶよう推奨しています(参考文献:Cassia cinnamon with high coumarin contents to be consumed in moderation|BfR)。
シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選④“日々のちょい足し”での慢性的超過
シナモンの「日々のちょい足し」が積み重なって、気づかないうちに慢性的な過剰摂取につながる可能性があります。
欧州食品安全機関(EFSA)は、クマリンの1日耐容摂取量(TDI)を体重1kgあたり0.1mgと設定しています(参考文献:Beware of overconsumption of herbal supplements containing coumarin|ANSES)。
例えば体重60kgの人のTDIは6mgで、クマリン含有量の多いカシアシナモンでは約2g(小さじ1杯程度)です(参考文献:調味料の目安重量|S&B)。
トーストや飲料などに毎日振りかけると、簡単にTDIに達する可能性があり、日常的な摂取量に気をつけなくてはなりません。
シナモンが肝臓に悪いと言われる理由5選⑤ハイリスク層(肝機能異常・妊娠/授乳・小児・服薬中)では感受性が高い
シナモンに含まれるクマリンは、感受性の高いハイリスク層には特に注意が必要です(参考文献:Cinnamon|NCCIH、食品安全委員会|内閣府)。
肝障害のある人は、カシアシナモンの長期摂取により、肝障害のリスクが高まります。
妊婦・授乳婦のシナモンの安全性については、ほとんどわかっていません。
なお、大量のセイロンシナモンの摂取は、妊娠中は安全でない可能性が指摘されていますが、授乳中の安全性は明らかになっていません。
また、体重10kg~15kgの小児の場合、シナモン摂取量は1日0.5gまでが目安とされています。
服薬中の人では、一部の成分が、抗がん剤やニコチンと相互作用を及ぼす可能性が報告されています。
シナモンの1日の摂取目安量
シナモンに含まれるクマリンは、大量に摂取すると肝障害を引き起こすおそれがあるため、摂取の目安量を守ることが大切です。
欧州食品安全機関(EFSA)は、クマリンの1日耐容摂取量(TDI)を体重1kgあたり0.1mgと設定しています。
例えば体重60kgの人の場合、クマリンのTDIは6mgです。
シナモン1gには約2.5~3.0mgのクマリンが含まれるため、1日の摂取目安量はおよそ2g、小さじ1杯程度に相当します(参考文献:調味料の目安重量|S&B)。
なお、体重10kg~15kgの子供では、一日当たりのシナモン摂取量は0.5g (クマリン量 1.25~1.5mg)までとされています(参考文献:食品安全委員会|内閣府)。
【効能】シナモンで白髪が減る?
シナモンで白髪の予防や改善が期待されていますが、現時点では科学的根拠は見つかっていません。
薄毛や白髪は、頭皮付近の毛細血管が減って血流が悪くなり、毛根に酸素や栄養が届かなくなることが一因と考えられています。
シナモンに含まれる「シンナムアルデヒド」は、毛細血管の修復や強化を助ける「Tie2」というタンパク質を活性化し、血管内皮を丈夫にすることが示唆されています(参考文献:血管の老化にストップをかけよう|オムロン)。
シンナムアルデヒドにより全身の血流が改善され、頭皮の毛根に十分な血液と栄養が行き渡ることで、薄毛や白髪の予防・改善につながる可能性が期待されているのです。
【効能】シナモンでシミが減る?
シナモン摂取により、シミが減る可能性があります。
シナモンには、抗酸化作用を持つ「プロアントシアニジン」というポリフェノールの一種が含まれているためです。
実際、プロアントシアニジンを摂取した研究では、肝斑(顔のシミ)の改善効果が報告されました(参考文献:Yamakoshi J, et al.:Phytother Res. 2004 Nov;18(11):895-9.)。
さらにシナモンに含まれる「シンナムアルデヒド」により、「Tie2」というタンパク質が活性化され、血流改善によりターンオーバーが促進されます。
このようにシナモンは、シミの原因となる酸化ストレスや血行不良を改善するため、美容効果につながる可能性があります。
「シナモン 肝臓に悪い」に関するよくある質問(Q&A)
Q1.市販されているシナモンは、セイロンシナモンかカシアシナモンか見分けられますか?
A.粉末状のシナモンでは、セイロンシナモンとカシアシナモンを見分けるのはほとんど不可能です。
一般的に、パッケージに「シナモン」とだけ記載されている商品は、ほとんどがカシアシナモンとされています。
セイロンシナモンの場合、パッケージに「セイロンシナモン」と明記されているケースが多いので、表示を目安に選ぶと安心です(参考文献:エスビー食品公式通販)。
Q2.シナモンを栄養補助食品として摂取しても問題ありませんか?
A.シナモンをサプリメントとして摂る場合は、高濃度のクマリンが含まれている可能性を考えなくてはなりません。
日本人の通常の食生活では、クマリンの1日耐容摂取量(TDI)を超えることはほとんどないと考えられています。
しかし、シナモンサプリメントに加えて、他にシナモンを含む食品等を摂った場合は、TDIを超えるおそれがあるので注意が必要です。
Q3.シナモンを加熱すると、クマリンは減りますか?
A.いいえ。
クマリンは熱に比較的安定で、加熱しても量はほとんど減りません。
研究では、シナモンを含む食品を200℃で加熱しても、クマリンの量はほとんど変わらなかったと報告されています。
そのため、シナモンを使った焼き菓子や煮込み料理でも、クマリンの肝臓へのリスクは変わりません。
引き続きシナモンの摂取量には注意が必要です。
(参考文献:自家製八つ橋に用いたシナモン中のクマリン量の加熱温度による影響|東京聖栄大学)
まとめ:シナモンは種類を選んで適量を守れば、肝臓に悪くない
シナモンが肝臓に悪いと言われるのは、含有成分のひとつである「クマリン」が肝障害を起こす可能性があるためです。
ただし肝臓への影響は、シナモンの種類と摂取量によって大きく変わります。
シナモンの中でもクマリンを多く含むのはカシアシナモンで、セイロンシナモンにはほとんど含まれないことがわかっています。
そのため、適切な種類を選んで、目安量を守って摂取する限り、肝臓への影響を心配する必要はありません。
一方で、大量かつ長期的に摂取すると、胃腸障害やアレルギー反応といった副作用があらわれる可能性があります。
シナモンの抗酸化作用や血行促進作用を効果的に活かすためにも、その特徴や適正量を理解して、上手に取り入れましょう。

本記事は、シナモンの種類差(カシア/セイロン)とクマリンの耐容一日摂取量を踏まえ、適量で賢く活用するための要点を整理しました。特にサプリメントは成分が濃縮されているため、日々の食事での“ちょい足し”分と合算し、過剰摂取にならぬよう注意が必要です。持病のある方や妊娠中など、ご心配な方は必ず専門家へ相談し、体調の変化があればすぐに中止しましょう。
監修・オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
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