インデラルは、高血圧や狭心症などの治療に用いられる薬です。
その一方で、最近では人前で発表する際などに起こる動悸や手・声の震えといった、「あがり症」の症状をやわらげる薬として注目されています。
こうした効果を知って、「インデラルをなんとか入手したい」と思い、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。
しかし、インデラルは法律によって個人輸入できません(参考文献:脳機能の向上等を標ぼうする医薬品等を個人輸入する場合の取扱いについて|厚生労働省)。
この記事では薬剤師監修のもと、インデラルの基本情報や「すごい」と言われる理由、個人輸入が禁止されている背景についてわかりやすく解説します。

【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
おかげさまで28年間、安心信頼の個人輸入代行・オオサカ堂のコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。薬剤師資格保有者が監修。
目次
【結論】インデラルは個人輸入できない!法令で一般個人の輸入は認められません
インデラル(一般名:プロプラノロール)は、日本の「医薬品医療機器等法」により個人輸入が禁止されています。
通常、医薬品を自己使用の目的で個人輸入する場合は、地方厚生局に必要書類を提出して、医薬品医療機器等法に違反しない証明を受けなくてはなりません。
しかし、一定の範囲内では、この手続きを省略できるケースもあります。
その一方で、医師の処方や指示を受けずに自己判断で使用した場合に、「重大な健康被害」や「乱用」につながるおそれのある医薬品については、数量に関係なく一般の個人輸入は認められていません(参考文献:医薬品等の個人輸入に関するQ&A|厚生労働省)。
インデラルはその対象にあたり、厳しく規定されています(参考文献:脳機能の向上等を標ぼうする医薬品等を個人輸入する場合の取扱いについて|厚生労働省)。
2019年以降のいわゆる「スマートドラッグ規制」の枠組みで一般個人の輸入を禁止
インデラルの有効成分であるプロプラノロール塩酸塩は、2019年1月1日に施行されたいわゆる「スマートドラッグ規制」の対象成分に指定されました。
これにより、一般の人によるインデラルの個人輸入は明確に禁止されています。
「スマートドラッグ規制」とは、厚生労働省から出された通知です。
「脳機能の改善」をうたって海外で販売されている医薬品やサプリメントのうち、安易に使用すると健康被害や乱用につながるおそれの高い成分が指定されています(参考文献:脳機能の向上等を標ぼうする医薬品等を個人輸入する場合の取扱いについて|厚生労働省)。
インデラルは厳密にはスマートドラッグの定義に当てはまりませんが、リスクを考慮して対象成分に指定されました。
インデラル(プロプラノロール)とは?適応・作用・注意点の基礎
インデラルは、プロプラノロール塩酸塩を主成分とする、1966年に発売された歴史のある薬です。
錠剤と注射剤があり、錠剤は心臓や血管、気管支などに存在するβ受容体を遮断することで、血圧や心拍数の上昇を抑えます。
適応症は次の通りです。
- 本態性高血圧(軽症~中等症)
- 狭心症、頻脈性不整脈
- 片頭痛発症抑制
- 褐色細胞腫の手術時
日本では承認された使用方法ではありませんが、保険の効かない適応外処方として「あがり症(社交不安障害)」や、「体の震え(特に手の震え)」に対して使われることがあります(参考文献:質疑応答|福岡県薬剤師会、未承認薬・適応外薬の要望に対する企業見解)。
服用にあたっての注意点として、気管支喘息や糖尿病、心臓疾患、低血圧、末梢循環障害がある方は、使用できないか、使用に慎重な判断が求められます。
なお、体調がよくなったからと自己判断で使用を中止したり、量を調節したりすると病気が悪化することがあるため、必ず医師の指示どおりに使用してください。
オオサカ堂でインデラル(プロプラノロール)の取り扱いはありません
オオサカ堂は法令を遵守し、正確で信頼できる医薬品情報の提供を第一に考えています。
そのため、2019年に施行された「スマートドラッグ規制」によって、個人輸入が禁止されたインデラルの取り扱いはありません。
現在、オオサカ堂で「インデラル」と検索すると、「個人輸入規制対象の成分を含む為、販売終了いたしました。」と表示され、ご注文いただけない状態です。
なお、Google検索では「インデラル 通販 オオサカ堂」というキーワードが表示されることがあります。
SNSやインターネットなどで「オオサカ堂でインデラルを購入できる」といった情報が流れていても、当社は一切関与しておりません。
規制された医薬品を安易に入手すると、法律違反による罰則だけでなく、偽造品の恐れや深刻な健康被害につながるリスクがあり、大変危険です。
インデラル(プロプラノロール)を正規入手方法以外で注文するリスク
インデラルを正規入手方法以外で購入した場合、次のような重大なリスクを伴います。
①法的なリスク
医薬品医療機器等法に違反した場合、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」が科される可能性があります。
また、刑事罰だけでなく、行政処分の対象となる場合もあります。
②健康上のリスク
医師の診察なしに入手した医薬品を使用した場合、次のような危険性をともないます。
・気管支喘息や心臓病など服用が禁じられている病気を見落とす可能性
・副作用や不具合などが起きた際に適切な対処ができない可能性
・過剰摂取による健康被害や、服用タイミングの間違いや投与量不足により十分な効果が得られない可能性
③偽造医薬品のリスク
正規入手方法以外によって入手した商品は、品質・有効性・安全性が保障されません。
正規品を偽った偽造薬や、不衛生な環境で製造された製品が届く可能性もあります。
正規入手方法以外で購入した場合、万が一トラブルが起きても、警察や消費者センターに相談するのは極めて困難です。取引自体が法律に触れるため、公的な救済は期待できないとお考えください。
インデラル(プロプラノロール)がすごいと言われている理由
インデラルが「すごい」と言われる理由は、「あがり症(社交不安障害)」という心理的な問題に対して、身体症状を改善するためです。
あがり症の人は、人前に立つと動悸や手・声の震え、発汗などの身体症状が出やすく、「また症状が出たらどうしよう」と更なる不安を生じ、悪循環に陥ることがあります(参考文献:MSDマニュアル 家庭版|社交不安症)。
インデラルは心臓のβ受容体を遮断し、高ぶっている交感神経の働きを落ち着かせることで、身体的な症状をやわらげます。
向精神薬と違い、脳内の受容体に作用しないため、依存性を起こしにくいのが「すごい」と言われる理由のひとつです。
「インデラル(プロプラノロール)個人輸入」に関するよくある質問
Q1. インデラルは個人輸入できないとのことですが、あがり症で入手するにはどうしたら良いですか。オオサカ堂以外の輸入代行サイトで注文するのは違法ですか?
A1.インデラルは医師の処方箋が必要な「処方箋医薬品」です。
輸入代行サイトを通じて入手するのは、たとえ個人使用の目的であっても違法行為にあたります。
国内では「あがり症」の適応はありませんが、医師の判断で適応外使用として処方されることがあります。この場合は保険適応はできず、自費処方箋という形で全額自己負担になります。
処方を希望される場合は、内科もしくは精神科や心療内科といった専門の医療機関を受診して、ご相談ください。
医師は症状や体質、現在服用中の薬の有無など、その人の状況を把握したうえでインデラルの処方が適切か判断します。
Q2.インデラルを海外で購入して、自分で持ち込むのは問題ありませんか。
A2.いいえ、認められていません。
海外で販売されている、インデラルの有効成分(プロプラノロール)を含む医薬品やサプリメントを、一般の個人が国内に持ち込む場合、数量によらず輸入確認証の交付を受けなくてはなりません。
ただし、海外からの入国者が、日本国内滞在中に本人の治療のために携帯する場合を除きます(参考文献:脳機能の向上等を標ぼうする医薬品等を個人輸入する場合の取扱いについて|厚生労働省)。
Q3. オオサカ堂では以前、インデラルを取り扱っていましたか。今後、取り扱う予定はありますか。
A3.日本の法律が変わらない限り、取り扱う予定はありません。以前は、法律で規制されていなかったため、インデラルを取り扱っていました。
しかし、2019年に施行された「スマートドラッグ規制」により、販売を終了しました。
現在はインデラルの取り扱いがなく、日本の法令が改正されない限り、再開する予定はありません。
オオサカ堂は法令遵守を徹底し、利用者の健康と安全を守ることを第一に考えています。
まとめ:インデラル(プロプラノロール)はオオサカ堂で取り扱いはありません
インデラル(一般名:プロプラノロール)は、2019年の法規制によって個人輸入が禁止されました。
オオサカ堂は法令を遵守しており、お客様の健康と安全を守るため、インデラルの取り扱いはなく、購入いただけません。
正規入手方法以外で購入した場合、罰則の対象となる場合もあります。
また、健康上のリスクや偽造医薬品のリスクを伴い、大変危険です。
インデラルの使用を検討されている場合は、医療機関を受診し医師の診断を受けるようにしてください。
症状に合った適切な治療を受けることで、不安の少ない生活を送りましょう。

インデラルは依存性こそないものの、心不全の悪化、徐脈、房室ブロック、呼吸困難などの重大副作用が複数症例で確認されている医薬品です。またインデラルは、気管支喘息というよくある疾患に禁忌となっているため、実際に医療現場でも慎重な対応が求めらます。このような医薬品を自己判断で使用することは大変危険です。甘い言葉に惑わされず、正しい知識を身につけましょう。本記事が、皆さまの健康管理の一助となれば幸いです。
監修・オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
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