低カロリーで、ダイエットによいとして特に女性に人気のキノコ。
でも、その恩恵はダイエットだけのもの?どれを食べても一緒?
今回は、キノコが持つ栄養についてご紹介します。
キノコに共通する栄養素

野菜を上回るほどの豊富な食物繊維が含まれるキノコ。基本的に、水に溶けにくく水分を吸収して膨らむ『不溶性食物繊維』が多く、便秘の改善によいとされています。また他にも、カリウムやリンなどのミネラル、ビタミンB群、D群、多糖類の一種であるβグルカンなどが含まれています。
不溶性食物繊維
水に溶けにくい性質を持つ食物繊維。ボソボソとした食感で繊維質な形状が特徴です。胃や腸の中で水分を吸収してふくらみ、便のかさを増やして腸を刺激して、便通の改善を促すとされています。また、噛み応えがあるため、満腹感を得られ、食べ過ぎを防ぎます。ただし、不溶性食物繊維の摂り過ぎはお腹の膨満感を招いたり、逆に便秘を悪化させることがあるので注意。キノコの他、豆類や穀物類も不溶性食物繊維を多く含みます。
カリウム
生活習慣で気を付けるべき「塩分の摂りすぎ」。これを解消してくれるのがカリウムです。カリウムには過剰な塩分(ナトリウム)を体外に排出してくれる作用があります。体から余計な塩分・水分が取り除かれるので、むくみ防止にも〇。カリウムが不足すると、体が怠く感じたり、筋力が落ちたり、けいれんを起こしやすくなったりします。キノコの他、海藻類やイモ類、バナナやキウイなど生のフルーツに多く含まれます。
ビタミンB群、D群
ビタミンB1は糖質がエネルギーを作る時に必要とされるビタミンで、疲労ケアに有用です。また、ビタミンB2は皮膚や粘膜、毛髪を健やかに保ったり、肌のターンオーバーを整えたりする他、代謝のサポートを行う役割も持ちます。B1もB2も水に溶けやすい性質あり。ビタミンDはミネラル類と深い関係があり、カルシウムの吸収を助けて、骨や歯の成長や強さをサポートします。
βグルカン
βグルカン(ベータグルカン)は、菌類(キノコなど)や細菌、酵母類、大麦などに存在する多糖類の一種です。胃腸で消化・分解されず、免疫サポートに有用として研究が続けられており、風邪などのウイルスに対抗してトラブルから体を守る働きが期待できます。また、血糖値の急な上昇を抑えたり、コレステロール値の上昇を抑えたりする働きも示唆されています。βグルカンは食物繊維(不溶性)の一つでもあり、腸内環境改善にも役立ちます。
代表的なキノコとその栄養
松茸

『秋の味覚の王様』といわれる松茸。また、「香り松茸、味しめじ」という通り、独特の芳香が特徴で、この香りはかさに多く含まれるマツタケオールや経皮酸メチルという成分から生まれています。ビタミンB群の中でもナイアシン(ビタミンB3)が特に多く、食物繊維やカリウム、ビタミンD、鉄分なども含みます。
しいたけ

ビタミンB1、B2、ビタミンD、食物繊維を含みます。生と乾燥した状態ではそれぞれの含有量が変わり、特にビタミンDは、生より乾燥した状態の方が30倍以上に増えます。三大うま味成分とされる「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」のうちグルタミン酸、グアニル酸を含みますが、グアニル酸は全食材の中で、ほぼ干ししいたけにしか含まれていません。また、しいたけ特有ともいえる成分、エリタデニンはコレステロールへの作用が期待できます。
ぶなしめじ

味にクセがなく食感がよいため、色々な料理に使われるぶなしめじ。ちなみに、先にも出した「香り松茸、味しめじ」の“しめじ”は本しめじで、ぶなしめじとは別ものです。ビタミンB1、B2、Dやナイアシン、カリウムの他、本しめじにはないビタミンB12とビオチンも含有。また、糖質やタンパク質、脂質などからエネルギーを作るサポートや、ストレスの緩和が期待できるパントテン酸(ビタミンB5)も含まれています。
エリンギ

エリンギは中央アジアやヨーロッパが原産のキノコで、日本では人工栽培されています。食物繊維、カリウムが豊富で、腸内環境を整えたり、むくみや血圧ケアに有用。また、他のキノコと比べて葉酸も多く含まれており、貧血を防ぐ働きが期待できます。エリンギにもパントテン酸が含まれていて、エネルギーやストレスケア、また、肌と髪の健康維持にも役立ちます。
マイタケ

さくさく食感が楽しいマイタケ。ビタミンDの含有量がトップクラスのキノコです。また、マイタケには独自成分「MXフラクション」「MDフラクション」が含まれています。このMXフラクションとMDフラクションはβグルカンの一種で、神戸薬科大学の難波宏彰名誉教授が発見・命名したもの。生活習慣によるトラブル改善に役立つとされています。
最後に
日本人は、食物繊維が不足しているといわれています。厚生労働省が掲げている次の摂取目標量を参考に、日々の食事にキノコを意識して取り入れてみましょう。

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