2024/07/01

エイジングにより乱れた肌のターンオーバー周期を正常化するとして人気の高い、化粧品成分のレチノール。最近は女性のみならず男性にも使用者が増えています。
今回はそんなレチノールにまつわるギモンを一気に解消できる『まるわかりQ&A』をまとめてみました!目次から気になるQに飛んでもOK!それではさっそく行きましょう。
レチノールの基礎知識
Q1. レチノールとは?
レチノール=ビタミンAです。栄養強化剤として食品に添加したり、皮膚や目の疾患治療薬として経口医薬品にも用いられたりもしています。
化粧品に添加されるレチノールの効果としては、肌のターンオーバー周期を正常化する働きがあり、エイジングサインのケアに有用です。
Q2. レチノールの効果はどのくらいで現れる?
通常は4〜8週間で効果を感じられるようになります。効果の現れ方には製品差や個人差があります。
Q3. レチノールを使うと肌が敏感になる?
はい。肌のターンオーバーが促されることでバリア機能を担う角質層が相対的に薄くなり、敏感になることがあります。
Q4. 『A反応』って何?
Q3のように、レチノールにより過敏性が増したことで乾燥、肌の赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などが生じることを、一般的に「A反応」や「レチノイド反応」と呼びます。使用初期に起こりやすい反応で、ターンオーバーが促された結果であり、製品が肌に効果を発揮している証ともいえます。
A反応が強すぎる場合は、使用頻度を下げる、より低刺激の製品を選ぶ、保湿ケアを強化する、といった対策が効果的です。
Q5. レチノールとレチナールは何が違う?
レチノール(ビタミンA)は体の中で、『 レチノール → レチナール → トレチノイン(レチノイン酸)』と変換されて作用を現します。レチナールはこの途中生成物の成分名です。
また、肌に最終的に作用する成分「トレチノイン」については、こちらの記事(レチノールとトレチノインって何が違うの?)で解説しています。
Q6. ピュアレチノールとレチノール誘導体の違いは?
ピュアレチノール(純粋レチノール)と呼ばれる成分は、文字通り単体のレチノールです。単体のレチノールは不安定なため、化粧品に添加する際にはカプセルやリポソームに内包して安定化を図ることが多いです。
レチノール誘導体は、パルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどが代表的な成分です。単体では不安定なレチノールに何らかの修飾をすることで、浸透性や安定性を向上させています。
Q7. ピュアレチノールは酸化しやすい?
はい。Q6で述べたように、成分単体は酸化しやすく取り扱いに注意が必要です。ただし最近はカプセル化技術などで酸化を防止した製品も多いため、『ピュアレチノール製品=酸化しやすい』と決めつける必要はありません。
Q8. レチノール製品は冷蔵庫で保管した方がいい?
いいえ。化粧品の保管方法は製品ごとに異なります。必ずしもレチノール入り=冷所とはなりません。製品によっては、開封前は常温でも開封後に冷蔵庫保管を定めるものなどもあります。保管方法は、製品の記載に従うのが最適です。
またレチノール製品に限らず、高温多湿・直射日光下での保管は化粧品の変質につながるため避けましょう。
レチノールの使用上の注意
Q9. レチノールはいつ・どうやって使うの?
レチノールは紫外線により壊れやすい成分のため夜のスキンケアで用いるケースが多いですが、使用方法は製品によるためパッケージを確認しましょう。またレチノールを初めて使う人や肌が弱い人は、顔以外の皮膚でパッチテストを行ったり、最初のうちは2~3日に1回のペースで肌を慣らしたりするのもポイントです。
Q10. レチノールとビタミンCは一緒に使える?
はい。化粧品は原則として人体に対する作用が緩和なため、化粧品同士で『併用禁忌』といった制限はなく一緒に使えます。
ただし製品によっては使い分け等を指定している場合があるため、パッケージを確認しましょう。
Q11. レチノールとAHA/BHAは一緒に使える?
はい。化粧品は原則として人体に対する作用が緩和なため、化粧品同士で『併用禁忌』といった制限はなく一緒に使えます。
ただしAHA(グリコール酸など)やBHA(サリチル酸など)には、皮膚科専売の医薬品などがあります。それらはピーリング作用が強いため、処方医や薬剤師に確認しましょう。
Q12. レチノールを使うと日焼けしやすくなる?
はい。ターンオーバーが促されて角質層がはがれ落ちることで、バリア機能が低下して紫外線の影響を受けやすくなることがあります。日中のUVケアは念入りに行うことが大切です。
Q13. レチノール化粧品は妊娠中や授乳中にも使える?
はい。化粧品は原則として人体に対する作用が緩和なため、胎児や乳児への影響という面では問題ないケースがほとんどですが、パッケージの記載を確認するのが安心です。心配な場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
また妊娠中、授乳中、生理中などは、肌が敏感になり、中には化粧品で肌荒れを起こしてしまう人もいるため、肌のコンディションを見ながら使用すると良いでしょう。
Q14. レチノールで覚えておくべきデメリット(副作用)は?
Q4の「A反応」で述べたような、乾燥、肌の赤み、かゆみ、皮むけなどが一般的な副作用です。また肌のバリア機能が低下するため、保湿ケア、UVケアを念入りに行う必要があります。
レチノールのよくあるギモン
Q15. レチノールは何歳から使い始めるのが良い?
レチノールは、肌のターンオーバー周期の正常化を期待して用いる成分のため、肌代謝の低下が気になる年代から使用するのが合理的です。一般的に肌代謝は、30代から低下しはじめて50歳を過ぎると劇的に低下するといわれています。
Q16. レチノール製品の選び方は?
万人に合う選び方は存在しないため、個々の肌タイプに合わせて、濃度や成分、メーカーが謳っている特色などを確認して選びましょう。こちらの記事もチェックしてください▶【2024年最新版】オオサカ堂の売れ筋レチノールコスメ|トップ7
Q17. レチノールを使うとニキビが悪化する?
いいえ。レチノールは角質層の代謝を促すため、むしろ毛穴の詰まりが緩和されてニキビやニキビ跡は改善する方に作用すると考えられます。もし悪化する場合、製品の他の成分が肌に合っていない可能性も考えられます。
Q18. レチノールはすべての肌タイプに使える?
はい。基本的には肌タイプを問わず使用できます。ただし化粧品成分としては刺激の強い部類になるため、敏感肌の人は注意が必要です。
Q19. レチノールは目の周りに使用できる?
目の周りは皮膚が薄いため、目元専用のレチノール製品を使用するのがベターです。
Q20. レチノールの代替品はある?
はい。バクチオールという植物由来成分が、レチノール用機能性化合物として化粧品に応用されています。バクチオールの方がレチノールよりマイルドな成分といわれています。
Q21. レチノール使用後に避けるべき製品は?
Q10、Q11と関連しますが、化粧品は人体に対する作用が緩和なため、通常、化粧品同士で併用を避ける必要はありません。ただしレチノールは化粧品成分としては刺激の強い部類になるため、お肌の弱い人は刺激の強い製品(ピーリング系、アルコール含有製品など)との併用は避けた方が安心です。
Q22. レチノールの効果を最大限に引き出す方法は?
定期的に使い続けることと、保湿ケアとUVケアをしっかりと併用することです。
Q23. クリームとセラム(美容液)、どっちが良い?
個人の肌質により製品の相性は異なります。クリーム剤はエモリエント(被膜保湿)作用が高い反面、油分の種類によってはニキビができやすくなる傾向があります。セラム(美容液)は反対に、浸透しやすく(乾きやすく)、ニキビへの影響となりにくい傾向があります。特性を参考にして適した製品を選びましょう。
Q24. レチノールの使用をやめるとどうなる?
肌代謝は再び年齢相応に遅れていくため、レチノールの使用をやめれば元の肌の状態へと戻っていく可能性があります。
さいごに
いかがでしたか?この記事を通じてレチノールに対する疑問が解消されて、さまざまな肌の悩みを抱える人にとってレチノールコスメを使ったスキンケアがもっと身近な存在になったら嬉しいです!より詳細なレチノールについての解説が読みたい人はこちらの記事もぜひチェックしてみてください!▶【悩み解消】アラサーの肌トラブルに効く!レチノールスキンケア
参考文献
Age-associated changes in human epidermal cell renewal
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6827031/
Comparison of clinical efficacies of sodium ascorbyl phosphate, retinol and their combination in acne treatment
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19134126/
レチノールの基本情報・配合目的・安全性(化粧品成分オンライン)
https://cosmetic-ingredients.org/anti-aging-agents/2702/
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