「ADHDの治療薬ストラテラやアクセプタを試したいけど、病院に行くのは大変…」
そう思って、ストラテラとアクセプタの個人輸入方法を探していませんか。
実は、2019年以降、厚生労働省によるスマートドラッグの規制により、成分アトモキセチンを含むストラテラやアクセプタの一般の個人による輸入は厳しく禁止されています。
この記事では、薬剤師監修のもと、なぜ個人輸入ができないのか、その背景にある規制の内容と、もし注文した場合に起こりうる深刻なリスクを中心に解説していきます。

【監修】オオサカ堂 薬事チーム
薬学分野に精通した有資格者が豊富な経験を活かして医薬品情報を厳格にチェック。分かりやすい薬学的アプローチで解説しています。

【ガイド】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
おかげさまで28年間、安心信頼の個人輸入代行・オオサカ堂のコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。
目次
ストラテラ&アクセプタとは?効果・副作用・服用条件の基礎知識
ストラテラおよびアクセプタは、いずれもADHD(注意欠陥・多動性障害)治療に用いられるアトモキセチンを有効成分とする医薬品です。
ストラテラは、日本で承認されている先発医薬品名です。一方、アクセプタはインドなどの海外で製造されるジェネリック医薬品名であり、日本では未承認です。
両者の有効成分は同一であるため、効果自体は同等とされていますが、製造国や品質管理基準、添加物などの違いがあります。
ここではストラテラ&アクセプタの作用機序と治療効果を基礎から確認し、代表的な副作用や投与前に満たすべき条件を整理します。
効果
ストラテラおよびアクセプタ(一般名:アトモキセチン)は、脳内の神経伝達物質「ノルアドレナリン」の働きを調整する薬です。
ノルアドレナリンは、注意、集中、意欲、覚醒といった機能に深く関わっており、ADHDの症状はこの物質の機能不全が一因と考えられています。
ストラテラとアクセプタは、神経細胞によるノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害することで、脳内のシナプス(神経細胞の接合部)におけるノルアドレナリン濃度を高め、その働きを正常化させます。
これにより、ADHDの主要な症状である「不注意」「多動性」「衝動性」の改善が期待できます。
ADHD治療薬として広く使用されているコンサータ(一般名:メチルフェニデート)などの中枢神経刺激薬は、ノルアドレナリンに加え、ドーパミンも広範囲に増やす作用があるため、効果が強く、依存性が高いという特徴があります。
これに対して、ストラテラやアクセプタはノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害するため、比較的穏やかな作用を示し、非中枢神経刺激薬に分類されます。
主な副作用
ストラテラとアクセプタは比較的安全性の高い薬ですが、消化器症状や精神神経系などのさまざまな副作用が報告されています。特に飲み始めや薬の量を増やした時期に現れやすいとされていますが、多くは体が薬に慣れるにつれて自然に軽快していきます。自己判断で服用を中断せず、気になる症状があれば必ず処方医に相談することが重要です。
頭痛
国内の成人患者を対象とした治験では、頭痛が報告されています。多くは服用開始後1~2週間程度で自然に軽快する一時的なものですが、痛みが持続する場合や日常生活に支障をきたす場合は、鎮痛剤の使用やストラテラの減量を検討することがあります。
食欲減退
食欲不振が約2割の服用者に見られると報告されています。特に体重増加の抑制や体重減少が見られることがあるため、注意深いモニタリングが必要です。食欲低下や体重変化が著しい場合には、服用量の調整や他の治療法の検討を医師と相談する必要があります。
傾眠・不眠
眠気・不眠が報告されています。これらの症状は、薬の服用時間を調整することで改善する場合があります。例えば、眠気が強く出る場合は夜に服用する、不眠傾向がある場合は朝に服用を固定するなど、生活リズムに合わせて医師と相談しながら最適な服用タイミングを探ります。また、眠気やめまいが起こる可能性があるため、服用中は自動車の運転などの危険を伴う機械の操作を控える必要があります。
悪心(吐き気)
消化器系の副作用として最も頻度が高いのが悪心で、服用者の3割以上で発症するとの報告がされています。空腹時の服用で症状が出やすいため、食後に服用することで大幅に軽減できます。多くは2週間以内に自然に軽快しますが、症状が強い場合は制吐薬(吐き気止め)を併用することもあります。
この他、動悸や口渇、抑うつ気分などの副作用が報告されています。
参考文献
医療用医薬品 : アトモキセチン|Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes
リスクと服用前に満たすべき条件
ストラテラとアクセプタは、ADHDと診断された方が、医師の厳格な管理下で服用する薬です。安全な治療のためには、服用前に患者の状態を正確に評価し、禁忌(服用してはいけないケース)や慎重な投与が必要なケースを把握しておく必要があります。以下はその代表的なものです。
心血管疾患の既往
ストラテラやアクセプタは心拍数や血圧を上昇させる作用があるため、重篤な心血管障害のある方には禁忌とされています。もともと高血圧や不整脈、心臓に疾患のある方が服用する際は、症状が悪化するリスクを考慮し、慎重な投与が必要です。治療開始前と治療中は、定期的な血圧・脈拍のモニタリングが欠かせません。
MAO阻害薬との併用禁忌
パーキンソン病治療薬などに用いられるモノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬とストラテラやアクセプタを併用すると、両薬剤の作用が増強されます。また、血圧が危険なレベルまで上昇する「高血圧クリーゼ」を引き起こす恐れもあり、非常に危険です。そのため、MAO阻害薬を服用中、または中止後14日以内の方には、ストラテラを投与することはできません。
自殺念慮の既往
ストラテラやアクセプタの服用との直接的な因果関係は明確ではありませんが、海外の臨床試験において、攻撃性や敵意、自殺に関連する行動の発現リスクがプラセボ(偽薬)と比較して高いという報告があります。そのため、もともと希死念慮(死にたいという思い)やうつ病の既往がある方には慎重に投与されます。服用中に気分の落ち込みやイライラ、攻撃性など、普段と違う精神状態の変化が現れた場合は、直ちに医師へ連絡し、投与を中止するかどうかの判断を仰ぐ必要があります。
未成年への投与
小児や思春期の方へ投与する場合、薬の量は年齢ではなく体重(mg/kg)に基づいて厳密に設定されます。また、食欲減退による体重減少への影響を考慮し、身長と体重を定期的に測定し、成長曲線を用いて発育状況をモニタリングすることが推奨されています。
【個人輸入】ストラテラやアクセプタについて、2019年「スマートドラッグ規制」で何が変わったか
「以前は個人輸入代行サイトや海外のサイトで買えたのに、なぜ今はできないのか?」
その答えは、2019年に施行された、いわゆる“スマートドラッグ規制”にあります。
当時、日本の医療用医薬品と同じ成分を含む海外製の薬やサプリメントを「頭が良くなる薬」などと称して安易に個人輸入し、健康被害に至るケースが社会問題化しました。
この事態を重く見た厚生労働省は、国民の健康を守るため、規制を大幅に強化する決断を下しました。
2019年以降、厚生労働省から発出された通知により、ストラテラやアクセプタの有効成分であるアトモキセチンを含む25成分に関して、一般の個人による輸入が明確に禁止されました。
もし個人輸入の必要がある際には、自己の治療のために携帯して輸入する場合を除き、事前に厚生労働省大臣から輸入確認証の交付を受けなければなりません。
本章では、この通知の要点と施行後に起こった変化を整理し、税関での対応を具体的に示します。
規制通知の概要
規制の契機となったのは、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長から発出された通知「脳機能の向上等を標ぼうする医薬品等を個人輸入する場合の取扱いについて(薬生監麻発1126第33号)」です。この通知では、海外で「スマートドラッグ」などとして販売され、個人の判断で使用した場合に重大な健康被害を生じるおそれが否定できない医薬品について、厚生労働省地方厚生局が発行する「輸入確認証(旧:薬監証明)」がなければ、個人輸入を原則として認めない方針が示されました。
個人輸入不可成分リストにアトモキセチンを追加
この通知の核心は、規制対象となる医薬品の成分を具体的にリスト化した点にあります。この「数量に関わらず厚生労働省の確認を必要とする成分」のリストに、ストラテラやアクセプタの有効成分である「アトモキセチン」が追加されました。これにより、税関の現場では、海外から届く郵便物の内容物チェックがシステム化・強化され、リストに該当する成分が含まれていると判断された場合、たとえ少量であっても厳格に没収対象とされる運用が開始されました。
自己使用目的でも例外なし
個人輸入の世界では「自分で使う分なら問題ない」という誤解が根強くありますが、この規制においては通用しません。たとえ「自分で飲むだけ」という自己使用目的であっても、個人輸入する際には輸入確認証が必要です。この規制は、目的を問わず、一般の個人の輸入そのものを禁じているのです。
参考文献:脳機能の向上等を標ぼうする医薬品等を個人輸入する場合の取扱いについて|厚生労働省
医薬品・化粧品等の個人輸入について|財務省関税局
【個人輸入】ストラテラ&アクセプタはオオサカ堂で注文できません


現在サイト内で「ストラテラ」「アクセプタ」を検索しても、「個人輸入規制対象の成分を含む為、販売終了いたしました。」と表示され、オオサカ堂では注文はできません。
2019年以降のスマートドラッグ規制により、アトモキセチンの個人輸入は明確に禁止となりました。
これに伴い、代行サイト側が注文の受付を継続することは、日本の利用者に禁止行為を幇助(ほうじょ)することに他なりません。
つまり、オオサカ堂で注文できないのは、日本の規制をきちんと守っている証拠となります。
ストラテラで人生が変わった?行き過ぎた表現はストップ
SNSで「ストラテラで人生が変わった」という体験談や検索窓でサジェストされているのを目にします。
確かに、医師の適切な診断と処方のもとでストラテラを服用することで、ADHDが改善し、生活の質が大きく向上する方もいます。
しかし、これは誰にでも起こる魔法ではありません。
ストラテラは、医師が患者のADHDの症状や副作用を定期的にモニタリングし、適正に用量調節することにより、効果を発揮する薬です。自己判断で用量を変更したり、服用時間を守らなかったりするなど誤った使い方をすれば、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
「人生が変わる」という言葉だけを信じ、禁止されている個人輸入に手を出すのは非常に危険です。
行き過ぎた表現に惑わされず、まずは専門医に相談し、ご自身の状態に合った現実的な治療計画を立てることが大切です。
ストラテラを普通の人が飲むとどうなる?
「集中力を高めたい」という目的で、ADHDではない方がストラテラに関心を持つケースがあります。
しかし、その安易な使用は「利益なきリスク」を伴う極めて危険な行為です。
健常者がストラテラを服用しても、効果に乏しいといわれています。
これは、ストラテラがADHDの方の脳内で不足しているノルアドレナリンを補うことによって効果を発揮する薬だからです。健常者の場合、すでにノルアドレナリンのバランスが取れているため、ストラテラを服用すると、かえってそのバランスが崩れてしまう可能性があります。
つまり、健常者に対する「頭が良くなる薬」としての効果は、医学的に正しいものではありません。
また、ストラテラの臨床データは、ADHD患者を対象にした試験の結果であり、そもそもADHDでない方の服用を想定しておりません。したがって、効果が得られないだけでなく、思いもよらぬ副作用を招く可能性があります。
期待できる効果はなく、副作用のリスクだけを一方的に負うことになるため、パフォーマンス向上を目的とした服用は絶対にやめましょう。
参考文献:ADHD治療薬ストラテラで痩せるのはなぜ?アトモキセチンの副作用や飲み方の注意点| 【ファイヤークリニック
ストラテラを個人輸入ではなく、安全に入手する手順
個人輸入が完全に規制された現在、日本国内でストラテラを合法的に入手する唯一の方法は、医療機関を受診し、医師の診断に基づいて処方してもらうことです。
具体的なステップを以下で詳しく解説します。
初診・カウンセリング
治療の第一歩は、専門家である医師に相談することです。精神科や心療内科、あるいはADHD専門のクリニックが相談先となります。医師は、あなたが日常生活や仕事で抱えている具体的な困難(例:「会議に集中できない」「締め切りを守れない」「物をよく失くす」など)を丁寧にヒアリングし、それがADHDの特性によるものなのか、それとも他の要因によるものなのかを専門的な視点で見極めます。その上で、薬物療法の必要性や、どの薬があなたに最も適しているかを総合的に判断します。
処方と服薬開始
医師がADHDと診断し、ストラテラによる治療が適切と判断した場合に、処方箋が発行されます。安全性を最優先するため、治療はごく少量から開始するのが鉄則です。
この「少量から始めて徐々に慣らしていく」というプロセス(用量漸増)は、吐き気や頭痛といった初期の副作用を最小限に抑え、治療の継続率を高める上で極めて重要です。副作用や効果の出方を医師と共有しながら、最適な薬の量へと調整していきます。
服薬開始後の定期通院
ストラテラの治療は、薬をもらって終わりではありません。むしろ、服用を開始してからが本当のスタートです。治療効果を最大化し、安全性を確保するため、定期的な通院によるフォローアップが不可欠となります。
もし、ストラテラで十分な効果が得られない、あるいは副作用が強くて服用が続けられないといった場合には、医師の判断で、作用機序の異なる他のADHD治療薬への切り替えを検討することもあります。こうした柔軟な治療計画の変更ができるのも、専門医の管理下にある正規の治療ならではの大きなメリットです。
ストラテラ&アクセプタの個人輸入に関するよくある質問Q&A
ストラテラの個人輸入に関しては、まだまだ誤解や疑問が尽きません。この章では、代表的な質問をいくつか取り上げ、法律と医療の両面から最新情報に基づいて簡潔にお答えします。
Q1. なぜ急にストラテラ&アクセプタの個人輸入が禁止になったのですか?
A. 2018年11月の行政通知が直接のきっかけです。当時、日本の医療用医薬品と同じ成分を含む海外製の薬やサプリメントを「スマートドラッグ」と称して安易に個人輸入し、適切な知識がないまま使用したことによる健康被害が国内外で問題視されました。これを受け、厚生労働省は「医師の関与なしでの使用は、乱用や健康被害につながるおそれが高い」と判断し、国民の安全を守るため、ストラテラの有効成分アトモキセチンを、輸入確認証なき個人輸入が禁止される「数量に関わらず厚生労働省の確認を必要とする成分」として一括で規制しました。
Q2. 少量ならストラテラ&アクセプタの個人輸入は認められる?
A. 認められません。規制の判断基準は、薬の「量」ではなく、たとえ自己使用目的の1カプセルであったとしても、必要な手続きがなければ個人輸入はできず、税関で没収・廃棄の対象となります。
Q3. ストラテラ&アクセプタを海外から自分で持ち込むのは OK?
A. 数量に関係なく、輸入確認証の交付を受けない限り、一般の個人による輸入は認められません(ただし、海外からの入国者が国内滞在中の自己の治療のために携帯して輸入する場合を除く)。
参考文献:厚生労働省 医薬・生活衛生局『医薬品等の個人輸入について』:
関東信越厚生局 麻薬取締部『輸入・輸出の手続き>医薬品等の輸入手続き』:
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iji/yakkanhp-kaishu-2016-3.html
まとめ:ストラテラ&アクセプタの個人輸入は法律で禁じられています
この記事を通じて一貫してお伝えしてきた通り、ストラテラ&アクセプタの個人輸入は全面的に禁止されています。
私たちオオサカ堂でも法令を遵守する形で、現在取り扱いはしていません。
ADHDの症状に悩み、治療を必要としている方々にとって、安全かつ確実、そして唯一の合法的な選択肢は、専門医の診断を受け、処方してもらうことです。
専門家と相談しながら、ご自身の状態に合わせた最適な治療を受け、生活の質を向上させていきましょう。
この記事が、そのための明るく安全な一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

オオサカ堂では、「スマートドラッグ」と称して脳機能の向上を謳うような規制対象の成分を含む医薬品やサプリメントは一切取り扱いません。ストラテラおよびアクセプタ(一般名:アトモキセチン)は、ADHDの方の治療法の一つとして国内外で有効性が確立されていますが、使用に際しては医師の慎重な対応が求められます。本記事によって、アトモキセチンが、個人輸入規制成分であることを理解し、医療機関での診療を通じて、適切な治療を受ける方が増えることを願っています。
関連記事
-
-
【薬剤師執筆】急増している梅毒について解説します。②後編
こんにちは。本日のコラムは、近年日本で急増している「梅毒」についての後編です。梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、男女関わらず性行為によって感染します。前編では梅毒の基本的な情報や日本で …
-
-
【薬剤師執筆】搬送9万人超!猛暑の脅威から命を守る
こんにちは。今日のテーマは、軽視すると命に関わる「熱中症」について。熱中症は、昨年の救急搬送が9万人を超えており、年齢や性別を問わず誰もがかかりうるものです。本コラムでは熱中症の脅威についてとともに、 …
-
-
【薬剤師執筆】急増している梅毒について解説します。①前編
こんにちは。今回のテーマは近年日本で急増している「梅毒」について。梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、男女関わらず性行為によって感染します。一度感染すると1年以上感染力を保持することがあるにも関 …
-
-
コンサータは個人輸入できない?オオサカ堂で注文できない理由を解説
「もしかして、コンサータってネットで簡単に買えるんじゃないの?」ADHDの治療を受けている方や、お子さんのことで悩んでいる保護者の方なら、一度はそう思ったことがあるかもしれません。 しかし、結論から申 …
-
-
オオサカ堂でイソトレチノイン(アキュテイン)は注文できる?個人輸入禁止の理由について
「オオサカ堂でイソトレチノインは買えるの?」 重度のニキビに悩み、早く効果的な治療を求める中で、そんな疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。 イソトレチノイン(商品名アキュテイン)は、重度のニキビ …