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【薬剤師監修】コンサータは個人輸入できません!押さえておきたいポイント整理

   

Pharmacist supervised concerta

「もしかして、コンサータってネットで簡単に買えるんじゃないの?」ADHDの治療を受けている方や、お子さんのことで悩んでいる保護者の方なら、一度はそう思ったことがあるかもしれません。

しかし、結論から申し上げるとコンサータ(一般名:メチルフェニデート)は、向精神薬に指定されており、個人輸入代行業者を利用して輸入することはできません。

この記事では、コンサータの個人輸入がなぜ違法なのか、どのようなリスクを伴うのかを詳しく解説します。

【監修】オオサカ堂 薬事チーム

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コンサータとは?

コンサータ(一般名:メチルフェニデート)は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療に用いられる中枢神経刺激薬です。

脳内で情報伝達を担う神経伝達物質であるドーパミンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、これらの物質の濃度を高め、ADHDの主な症状である不注意、多動性、衝動性を改善する効果が期待されています。

中枢神経に作用する薬剤は、その薬理作用と、それに伴う依存性や乱用のリスクがあるために「第1種~第3種向精神薬」という区分に指定されます。コンサータは第1種向精神薬に指定されています。ほかにも、抗不安薬や睡眠薬の多くが第1種~第3種向精神薬に指定されており、いずれの区分も個人輸入はできません。

日本では医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)をはじめとする各種法律に基づき、その取り扱いが厳格に管理されています。

コンサータ個人輸入を禁止する法律のポイント整理

日本では、一般の個人が海外から向精神薬を輸入することは認められていません。

これは、インターネットを通じて海外の個人輸入代行業者から購入する場合も例外ではありません。具体的な法律による規制を詳しく解説します。

日本では、乱用の危険性や依存性などのある薬物の個人輸入を法律で禁止しています。コンサータは第1種向精神薬に指定されているため、麻薬及び向精神薬取締法により個人輸入が禁止されています。

向精神薬の輸入がこれほどまでに厳しく規制されているのは、国民の健康と安全を守るという重要な目的があるからです。

また海外で流通している医薬品の中には、日本と品質の基準が異なっていたり、日本で承認されていない成分が含まれていたりすることが少なくありません。

医薬品の個人輸入は、本来日本国内で必要な医薬品等にアクセスが出来ない場合などに活用することを意図して設けられている仕組みであることから、国民の健康と安全を守るためにさまざまな法律で厳重な規制が設けられているという点を理解しておくことが大切です。

(参考サイト:医薬品等の個人輸入について |厚生労働省

法令・制度名 輸入規制薬物 条件・例外規定 コンサータへの適用
麻薬及び向精神薬取締法 ×麻薬、向精神薬 自己の疾病の治療目的のみ、携帯出入国が可能
(数量により要手続き)
適用
覚醒剤取締法 ×覚醒剤、覚醒剤原料 医療用覚醒剤原料のみ自己の疾病の治療目的での携帯出入国が可能
(要手続き)
大麻取締法 ×大麻等
薬機法 ×指定薬物
関税法 ×上記のすべて 適用

コンサータは個人輸入できない|税関没収・罰則・逮捕事例を解説

Concerta cannot be imported by individuals  Explanation of customs confiscation, penalties, and arrest cases

コンサータに限らず、安易な気持ちで輸入規制薬物の個人輸入に手を出すと、想像以上に深刻なリスクに直面する可能性があります。

ここでは、輸入規制薬物に関する具体的なリスクについて実例とともに詳しく解説します。

税関で没収された実例と罰金・関税法違反の処分内容

実際に、海外から輸入規制薬物等を個人輸入しようとして税関で摘発され、没収される事例は後を絶ちません。向精神薬は、日本の法律で厳格な輸入規制の対象となっており、税関で発見されれば確実に没収されます。

没収だけで済めばまだ良い方で、場合によっては関税法や麻薬及び向精神薬取締法に違反したとして、懲役刑や罰金刑が科せられる可能性もあります。悪質なケースや、営利目的と判断された場合には、さらに重い罰則があります。「少しくらいなら大丈夫だろう」「他の人も買えているみたいだから」といった安易な考えは非常に危険です。インターネット上には、違法な個人輸入を助長するような情報も散見されますが、それらは全て自己責任であり、摘発された場合の責任は全て自分自身が負うことになります。

オオサカ堂では、日本の法令で輸入が規制されている成分は一切取り扱っておりません。詳しくはこちら

(参考サイト:各税関の摘発事件発表(令和5年)|税関

偽造・粗悪品による健康被害

自己判断で個人輸入して偽造品を手にした場合、本来の成分とは異なる有害な物質が混入している粗悪品である可能性も否定できません。これらの偽造品や粗悪品を服用した場合、本来の治療効果が得られないばかりか、予期せぬ重篤な健康被害を引き起こす危険性があります。

特に、心臓や血管に悪影響を及ぼす可能性のある成分が混入していた場合、動悸、不整脈、血圧上昇などを引き起こし、最悪の場合、突然死につながるリスクも考えられます。また、コンサータは中枢神経に作用する薬剤であるため、偽造品に含まれる未知の成分が精神状態に深刻な悪影響を与える可能性も否定できません。自己判断での個人輸入は、自身の健康を著しく危険に晒す行為であることを強く認識してください。

偽造・粗悪品の特徴 起こり得る健康被害
有効成分が入っていない 症状の悪化・治療効果なし
有害成分が混入(未知物質) 動悸、不整脈、血圧上昇、精神障害
心臓・血管系への悪影響 最悪の場合、突然死

なお、オオサカ堂は1997年のサービス開始以来、「偽物を代行する事は絶対にしない」という信念のもとに、お客様が安心してご利用いただける万全の体制でサービスを提供しております。取り扱う商品はすべてメーカー純正品であり、偽物は取り扱っておりません。

強化された取り締まり動向

近年、厚生労働省は、違法な医薬品の個人輸入に対する取り締まりを一層強化しています。特に、インターネットを通じて流通する違法な医薬品に対する監視体制が強化され、税関における検査もより厳格になっています。

コンサータを含む向精神薬の個人輸入に対する注意喚起や指導が強化されており、以前よりも摘発されるリスクが格段に高まっていると考えられます。法規制は常に変化しており、安易な気持ちで個人輸入に手を出すことは、自身の将来を大きく左右する行為となりかねません。

【個人輸入以外でコンサータを処方してもらうには】医療機関を受診し処方を受ける

コンサータを安全かつ合法的に入手する唯一の方法は、医療機関を受診し、医師の適切な診断と処方を受けることです。

ADHDの専門医がいる医療機関を受診し、自身の症状や状態について詳しく相談することが最も重要です。

医師は、詳細な問診や必要な検査を通じて、コンサータの処方が本当に必要かどうかを慎重に判断します。

そして、処方が適切と判断された場合には、患者さんの年齢、体重、症状に合わせて、適切な用法・用量を指示した処方箋を発行してくれます。

正規の処方箋に基づいて調剤されたコンサータは、品質、有効性、安全性が国の基準によって厳しく管理されており、安心して治療に取り組むことができます。なお、コンサータは2019年12月より処方する医師、調剤する薬剤師、処方を受ける患者のすべてが登録制となったため、より厳重な管理下で流通されています。

オオサカ堂ではコンサータを取り扱っていません

現在、「コンサータ 個人輸入」で Google 検索すると「コンサータ オオサカ堂」という関連キーワードが表示されることを、私たちオオサカ堂コンテンツ制作チームでも確認しています。

しかし当社は法令を厳守しており、コンサータの個人輸入代行は一切行っておりません。

SNS や広告で「オオサカ堂でコンサータを購入できる」といった情報が流れていても、当社とは無関係の誤情報となりますので、注意が必要です。

コンサータは医師の診察と処方が必須の向精神薬になります。

購入や服用を検討される際は、必ず主治医に相談し、適切な診療と指導を受けるようにしましょう。

コンサータ個人輸入に関するよくある質問

ここでは、コンサータの個人輸入関して、ADHD当事者やその保護者の方々からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q.1 ネット通販で「コンサータ」と書かれた薬を見つけました。これは個人輸入しても大丈夫ですか?

A. いいえ、絶対に個人輸入しないでください。インターネット通販で販売されている「コンサータ」と称する医薬品は、有効成分が全く含まれていない偽造品である可能性や、不純物や有害な物質が含まれている粗悪品である可能性が非常に高く、健康被害のリスクが極めて高いです。また、コンサータは日本の法律で向精神薬に指定されており、一般の人が個人輸入することは薬機法で明確に禁止されています。個人輸入した場合、税関で没収されるだけでなく、罰金が科せられたり、場合によっては逮捕されたりする可能性もあります。安全かつ合法的にコンサータを入手するためには、必ず医療機関を受診し、医師の診断に基づいて処方してもらうことが唯一の正しい方法です。

Q.2 知人が海外に住んでおり、「コンサータを送ってあげる」と言ってくれています。これも違法になりますか?

A. はい、たとえ善意による行為であっても、原則として違法となります。コンサータは麻薬及び向精神薬取締法によって向精神薬に指定されており、自己の治療のために本人が携帯して出入国する場合を除いて、輸入が禁止されています。税関で発見された場合、没収されるのはもちろんのこと、送った知人にも法的な責任が問われる可能性も否定できません。また、送られてきたコンサータが正規品である保証はなく、偽造品や粗悪品である可能性も十分に考えられます。大切な知人を法的なトラブルに巻き込むことのないよう、またご自身の健康を守るためにも、個人輸入に類する行為は絶対に避けるべきです。

まとめ:【薬剤師監修】コンサータは個人輸入できません!押さえておきたいポイント整理

この記事では、コンサータの安全な入手方法と個人輸入での入手が法律で禁止されていることについて詳しく解説しました。

コンサータは、ADHDの薬物療法における第一選択薬とされており、その有効性は十分に認められていますが、薬物依存を含むさまざまなリスクについて適正に管理する必要があることから、日本では医師の厳格な管理のもとでのみ処方が認められています。

インターネットなどで安易に個人輸入しようとすることは、法律に違反するだけでなく、健康被害、経済的損失、そして法的な罰則といった、様々なリスクを伴う非常に危険な行為です。

安全かつ確実にコンサータを入手するためには、必ずADHDの専門医がいる医療機関を受診し、医師の適切な診断を受けた上で処方を受けるようにしてください。

自己判断での個人輸入は絶対に避け、専門医との連携を通じて、安全で適切なADHD治療を継続していくことが、ご自身と大切なご家族の未来を守るために最も重要なことであることを忘れないようにしましょう。

監修者コメント
監修者の写真

オオサカ堂では、医療用麻薬や向精神薬などをはじめとする輸入が規制されている薬物等を一切取り扱いません。コンサータ(一般名:メチルフェニデート)はその乱用の危険性と治療上の有効性から「第1種向精神薬」に指定された薬剤であり、今後も取り扱うことはありません。輸入が規制されるのには理由があります。本記事を通じて、「薬」は常に「リスク」と隣り合わせであることを多くの方に知っていただけると幸いです。

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