2024/07/05

先週に引き続き「ビタミンC配合美容液にどんな効果があるのか?についての論文情報まとめ」の中で紹介した論文の解説をしていきます。
ビタミンC美容液の効果の実例紹介から、実際の製品選びや合わせて使用する製品の参考にしていただければと思います。
今回は「ビタミンC、ビタミンE、ラズベリー葉細胞培養エキスを含む局所治療の老化防止と美白効果:分割顔ランダム化比較試験」という論文について深堀していきます。
この研究は、ビタミンC、ビタミンE、ラズベリー葉細胞培養エキスを含む美容液が、どのように肌の老化を防ぎ、美白効果をもたらすかが評価されました。
原著の論文はこちらです。
↓↓↓
PubMed
PubMed Central (全文テキスト)
では順に解説していきます。
目次
背景:なぜこの研究が行われたか?
肌の老化は、しわや肌のくすみ、乾燥などの形で現れます。様々な研究から、紫外線によるフリーラジカルの生成が、コラーゲンやエラスチンの分解を引き起こし、肌の老化を促進することが知られています。
ビタミンCとビタミンEは、抗酸化作用を持ち、これらの酸化ストレスによる損傷を軽減する効果があります。また、ラズベリー葉エキスには保湿効果があります。
これらの成分を組み合わせた美容液が、老化した肌に対してどのような効果をもたらすかを調査することを調べるために、この研究が行われました。

評価対象:肌の老化を抑制するとされている成分
評価対象は、ビタミンC(20%)、ビタミンE、およびラズベリー葉細胞培養エキスを含む美容液です。
この美容液が抗老化および美白効果がどの程度あるのか?が評価されました。
それぞれの成分に期待できる効果は以下の通りです。
ビタミンC
強力な抗酸化物質であり、紫外線によるダメージから肌を守り、コラーゲンの生成を助けます。これにより、肌の弾力性が向上し、しわの減少が期待できます。また、メラニン生成を抑制し、肌の色を明るくする効果もあります。
ビタミンE
脂溶性の抗酸化物質で、ビタミンCと一緒に使うことで効果が増強されます。細胞膜を保護し、紫外線による色素沈着を減少させる効果もあります。
ラズベリー葉細胞培養エキス
保湿成分を含み、肌の水分保持を助けます。また、抗酸化物質が含まれているため、肌を保護し、老化の兆候を減少させる効果があります。

方法:どんな人たちの、何を評価したのか?
対象となったのは30~65歳のタイ人女性50名でした。これらの女性は、顔にしわやたるみ、乾燥、色むらなどの老化の兆候が見られる方々です。参加者は広告や電子メディアを通じて募集されました。
対象となった方々のフィッツパトリック分類ではⅢ~Ⅳに該当します。おおむね、中等度以上の褐色の肌色をしており、日焼けをした場合でも、メラニン合成により肌が褐色になるタイプの方々です。(フィッツパトリック分類については→Wikipedia)
対象者を選ぶときに、次に当てはまる方は除外されました。
医師の治療を受けている、非ステロイド性抗炎症薬を使用している、化粧品に対する過敏症がある、皮膚感染や炎症がある、妊娠中または授乳中の方は除外されました。また、最近1年以内に経口レチノイド、RF治療、ボトックス注射、レーザー治療、ピーリングを受けた方も除外されました。
研究用の美容液の使用について、参加者は、ビタミンC(20%)、ビタミンE、ラズベリー葉細胞培養エキスを含む美容液をカプセル状にして提供され、毎晩片側の顔に2ヶ月間使用しました。反対側には研究用の美容液を使用せず、比較の対象としました。日常的なスキンケアに制限はありませんでした。
結果の測定は、4週間および8週間後に皮膚科専門医が肌の色、弾力性、輝き、保湿、しわなどを評価しました。測定には、それぞれの専門の機器(Mexameter MX18®, Cutometer®, Glossymeter GL200®, Corneometer CM825®, Tewameter TM300®)が使用されました。

結果:美容液の使用側と未使用側を比較してどうだったか?
結論から言うと、肌の明るさ、弾力性、輝きを改善し、しわを減少させる効果が確認できました。ただし、保湿効果は限定的であり、この研究に利用された美容液に保湿効果があるとは言えないようでした。
詳しくは次の通りです。
肌の色が約8%明るくなった
メラニン指数と呼ばれる、色素量の指数を比較した結果、未使用側が8週後にほとんど変化なしであるのに対して、使用側はメラニン指数が約8%減少していました。
肌の弾力性が約14%向上した
肌の弾力性はR2比率と呼ばれる指標で比較されました。こちらも同じく未使用側の数値変化と比較したとき、8週間後には約14%改善していました。
肌の輝きが約24%増加した
肌の輝きはグロスDSCと呼ばれる指標で比較されました。こちらも同様に未使用側の数値変化と比較して、使用側は8週間後には約24%増加しました。
しわが約16%減少した
しわはSEwという肌の表面評価指標によって比較されました。未使用側の数値変化と比較して、使用側ではしわが16%減少しました。
もう一つのSEsmという、肌の滑らかさを表す指標においても、滑らかさが約14%増加しました。
保湿効果は見られなかった
肌の保湿については水分レベルという指標が使用されました。これは未使用側と使用側を比較したとき、変化は見られませんでした。
また、経表皮水分蒸散量(TEWL)という指標も比較されました。これも未使用側と使用側を比較して、変化は見られませんでした。

考察:美白、しわ改善効果はあるが、保湿効果はなさそう
紫外線によるフリーラジカルの生成が、コラーゲンやエラスチンの分解を引き起こし、肌の老化を促進することがわかっています。抗酸化剤の局所適用は、これらの酸化ストレスによる損傷を軽減するための非侵襲的なアプローチです。
ビタミンCはビタミンEの酸化型を還元型に戻すことで、ビタミンEの効果を高めます。これにより、フリーラジカルをより効果的に除去し、紫外線によるダメージから肌を保護します。
ラズベリー葉細胞培養エキスには、細胞を酸化ストレスから保護する抗酸化物質が含まれており、肌の水分保持能力を高める遺伝子の発現を促進します。
これらは他の研究からすでに報告されている内容です。
本研究では、ビタミンCとビタミンEの組み合わせが肌の明るさと弾力性の向上に寄与することが確認されました。また、ラズベリー葉細胞培養エキスが肌の滑らかさやしわの改善に寄与することが確認されました。しかし、保湿効果に顕著な変化が見られませんでした。
保湿効果については、ビタミンCが酸性物質であるため、表皮細胞の剥離と表皮水分の喪失の可能性があることが一因として挙げられています。
また、保湿効果を高めるためには、さらに高濃度のラズベリー葉エキスや他の保湿成分の追加を検討しても良いという考察がされています。

まとめ:ビタミンC美容液をどう使用したらいいか?
この研究報告では、ビタミンC、ビタミンEとラズベリー葉細胞培養エキスとの併用について、美白効果、肌の弾力性改善、しわ減少などの効果があることが報告されました。
この結果から、市販の製品にはビタミンCの原液のように、ビタミンCを単独で配合する美容液もありますが、ビタミンEを含む他の製品と併用したほうが効果が高そうであると言えます。
また、保湿効果については効果がほとんど見られなかったので、ビタミンC含有美容液に加えて、保湿クリームや乳液を併用したほうが良さそうであると言えます。
日常的にビタミンCとビタミンEを併用されている方や、保湿もしっかりとされている方はこれまでのやり方を続けて行くと良いかなと思います。
逆にこれまで、ビタミンCの美容液を使用しているけれど、併用する製品や成分については気にしたことがなかったという方は、他の製品を探してみたり、すでに複数成分が配合されている美容液に切り替えてみても良いかもしれません。
以上、この研究報告からは、ビタミンC美容液と他の製品の併用についてのヒントを読み取ることができました。
製品選びのヒントにしていただけたらと思います。では、今日はこのあたりで。
参考情報
- Topical Vitamin C and the Skin: Mechanisms of Action and Clinical Applications
https://jcadonline.com/topical-vitamin-c-and-the-skin-mechanisms-of-action-and-clinical-applications/
Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology というメディアにおける、論文情報の引用まとめ記事です。外用ビタミンCが皮膚に与える多岐にわたる利点と、臨床研究で観察された具体的な結果について詳細に解説しています。 - Cosmeceutical Vitamins: Vitamin C
https://clinicalgate.com/cosmeceutical-vitamins-vitamin-c/
Clinicalgateは臨床医学に関する情報をまとめている民間団体です。この記事は化粧品としてのビタミンCについて、その効果などを説明しています。 - Vitamin C in dermatology
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3673383/
インドにおける皮膚科医ジャーナルに掲載された情報です。皮膚科領域におけるビタミンCの作用や特徴について、まとまった説明が提供されています。 - Anti-aging and brightening effects of a topical treatment containing vitamin C, vitamin E, and raspberry leaf cell culture extract: A split-face, randomized controlled trial
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7027822/
通常のスキンケア加えて、被験者の顔の片側にビタミンC、ビタミンE、ラズベリー葉細胞培養エキスを塗布しもう片方には塗布せずに4週間後、8週間後の皮膚老化に対する効果に焦点を当てた研究結果を提供しています。 - Skin Photoaging and the Role of Antioxidants in Its Prevention
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3789494/
光老化と言われる紫外線による老化現象と抗酸化物質による皮膚の保護についての、皮膚科医療雑誌の掲載内容です。 - フィッツパトリックのスキンタイプ – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97
皮膚タイプ分類についてのWikipediaによる百科事典情報です。 - 微小重力の極限条件下で作業する宇宙飛行士から取得したデータを使用した生体皮膚の表面評価(SELS)パラメータ相関分析
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/srt.12771
SELSパラメータについて。
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