2026/08/12

最近、テレビやSNSで話題の「GLP-1注射」。今回は、その特徴やメリット・デメリットを薬剤師が分かりやすく解説します。
「GLP-1注射」って何?
GLP-1は、日本語では「グルカゴン様ペプチド-1」と訳されるホルモンで、食事をすると小腸から分泌される物質です。今話題の「GLP-1注射(GLP-1受容体作動薬)」とは、このホルモンの働きを真似て作られた薬です。5成分以上が誕生しており、今もなお開発が世界的に行われている注目の物質です。
血糖値をコントロールする作用から、もともとは2型糖尿病の治療薬として開発されたGLP-1注射ですが、最近では体重減少効果の方が特に注目され、話題となっています。
話題の「マンジャロ」とは?
「マンジャロ」は、2型糖尿病治療薬として2023年に発売された注射薬です。
薬剤としては優れたマンジャロですが、最近なぜ話題になっているのかというと、ダイエット目的での「適応外使用」が増えたためです。
美容クリニックをはじめとする自由診療でマンジャロの使用が増えたことで、糖尿病患者への供給が一時不足してしまいました。また、やせる必要がない体型の人が使用したり、医師の指示を無視して大量に使用したりして、健康被害につながる事例も相次ぎました。こうしたことから、今年6月には厚生労働省からも適正使用の注意喚起が出ています。
※オオサカ堂では、マンジャロの取扱いはありません。
ダイエット効果とやせる仕組み
GLP-1には、食欲を抑えて満腹感を長く保つ作用があります。すぐに体重は減りませんが、少ない食事量で満腹感が出るため、だんだんと体重が落ちていきます。
この作用から、「肥満症治療薬」として承認されているGLP-1注射もあり、正しく用いれば高い治療効果が期待されています。
リスクを知り、正しく使う
一方で、BMIが正常な方が「もっと細くなりたい」という目的で使用すると、吐き気や下痢・便秘などの副作用や、食事が減りすぎることによる筋肉低下、栄養不足などのデメリットがメリットを大きく上回るリスクがあります。またGLP-1注射をやめると食欲が戻り、リバウンドしやすいことも知られています。
投与量の調整や自己注射のテクニックも必要で、まれに起こる「急性膵炎」などの重大な副作用なども知られていることから、正しく使うためには医師・薬剤師による指導がマストになります。
GLP-1注射は、肥満症や糖尿病の治療では優れた薬ですが、「誰でも使えばやせる魔法の薬」ではありません。「バランスの良い食事・適度な運動・良質な睡眠」の3つがダイエットの基本となります。専門家のアドバイスに従い、薬の補助輪が必要かどうかを適切に判断しましょう。
※本内容は国内ガイドラインおよび添付文書に基づき薬剤師が監修しています。なお、GLP-1製剤の個別具体的なご案内は、薬機法に基づき行っておりません。
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