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【薬剤師監修】ラボナは個人輸入できない?オオサカ堂で注文できない理由について解説

      2025/08/06

「夜、眠れない」「気分の落ち込みが続く」そんな辛い症状から、「ラボナ」にたどり着き、個人輸入を検討していませんか?

インターネット上には様々な情報が溢れていますが、結論から申し上げますと、ラボナは「第2種向精神薬」に指定されており、個人輸入は法律で固く禁止されています。 (参考文献:薬局における向精神薬取扱いの手引|厚生労働省)

この記事では、なぜ大手サイトのオオサカ堂を含め、ラボナの個人輸入が不可能なのか、その法的な理由と健康上のリスクを薬剤師が専門的な知見から徹底解説します。

【監修】オオサカ堂 薬事チーム

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当社に在籍する薬剤師が豊富な経験を活かして医薬品情報を厳格にチェック。分かりやすい薬学的アプローチで解説しています。

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ラボナとは?効果と副作用

「ラボナ」とは一体どのような薬なのでしょうか。

この章では、ラボナの効果と、その裏に潜む副作用について詳しく解説します。

効果

ラボナ(ラボナ錠50mg)は、ペントバルビタールカルシウムという有効成分を含有した、いわゆる「バルビツール酸系」と呼ばれる催眠鎮静薬です。

主な作用は、脳内で「興奮を抑えるブレーキ」の役割を持つ神経伝達物質(GABA)の働きを強めることで、脳全体の活動を短時間で強力に鎮めることにあります。

この作用から、主に以下のような目的で処方されてきました。しかし、バルビツール酸系の薬剤はどれも深刻な副作用が多く、また依存性や耐性も生じやすいことから、現代医療においては使用される場面は極めて限定的であることを、はじめに強調しておきます。

① 不眠症への効果

ラボナの有効成分であるペントバルビタールは、世界の睡眠診療の歴史的には今からおよそ100年ほど前に台頭した非常に古い薬です。強い催眠鎮静効果が短時間で現れるのが特徴ですが、現在はより安全性と有効性の高い睡眠薬が多くあることから、ラボナの不眠症への使用は推奨されていません。

② 不安・緊張状態の鎮静

その強い中枢神経抑制作用は、強い不安感や緊張状態を和らげる目的でも用いられることがありますが、近年は使用されるケースは少ないです。

③ 麻酔前投薬としての役割

手術を受ける患者の術前の不安や恐怖心を和らげ、心身をリラックスさせる「麻酔前投薬」としても使用されることがあります。

添付文書上の成人の標準的な投与量は目的によって異なりますがおおよそ50〜100mgです。しかし、これはあくまで目安であり、実際は体重、肝臓や腎臓の機能、年齢などの個人差に合わせて医師が細かく用量を調整して処方します。わずか10mgの違いによって、翌日まで意識がもうろうとする「過鎮静」に陥るケースもあるからです。

このようにラボナは、いくつかの用途はあるものの取り扱いの難しさやデメリットの多さから、欧米諸国では厳格に管理されるハイリスク薬と位置付けられており、日本においても、医師が処方できる量は「1回14日分」までの上限が設定されています。

副作用

ラボナが現在ほとんど使われない最大の理由は、その効果を上回る致命的な副作用のリスクがあるためです。

中枢神経抑制

最も警戒すべき副作用は「中枢神経抑制」です。これは、ラボナが脳神経を全般的に抑制する薬であるために、呼吸を制御している神経までもを抑えてしまうというものです。飲酒や飲み合わせの悪い他の薬と重なったり、ほんのわずかに過量投与してしまったりしても中枢神経抑制が強まって、死に直結する危険があります。

依存性と耐性

ラボナは極めて依存性が高い薬剤です。薬物依存には、薬がないといられないような気持ちになるなどの「精神的依存」と、けいれんや幻聴があらわれるなどの「身体的依存」の2パターンがありますが、ラボナはその両方ともリスクがあります。また、使い続けるうちに身体が薬に慣れてしまうことで効き目が落ちる、「耐性」も起こりうることが分かっているため、同じ効果を得るためにより多く飲もうとすればオーバードーズ(過量服薬)のリスクも非常に高くなります。

精神神経症状と翌日への影響

中枢神経を強力に抑制するため、薬の効果が翌朝まで持ち越し、強い眠気やふらつきが残ることが少なくありません。ラボナを服用中は、自動車の運転や危険を伴う機械の操作などは行ってはならないとされており、転倒による骨折や、重大な交通事故を引き起こすリスクも指摘されています。また、もうろう状態、判断力の低下、興奮、幻覚、錯乱といった精神症状や、服用後に無意識のうちに歩き回るなどの異常行動(夢遊病様症状)を起こすこともあります。

離脱症状

長期服用後に急に薬を中断すると、激しい離脱症状に見舞われることがあります。重度の不眠、不安、焦燥感、震え、けいれん発作、幻覚など、心身に耐えがたい苦痛をもたらします。この離脱症状の辛さから、薬をやめたくてもやめられないという悪循環に陥りやすいのです。

その他の副作用

上記以外にも、めまい、頭痛、倦怠感、発疹、肝機能障害なども報告されています。これらの副作用は、医師の厳密な管理下でさえコントロールが難しいものです。

専門知識のない個人が自己判断で服用することが、いかに無謀で危険なことかお分かりいただけるでしょう。

(参考文献:医療用医薬品 : ラボナ|KEGG: Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)

【個人輸入】ラボナはオオサカ堂で注文できません

現在、オオサカ堂ではラボナの取り扱いはしていません。

オオサカ堂コンテンツ制作チームでも「睡眠薬 オオサカ堂」などのキーワードでよく検索されていることを確認していますが、当社は法令を厳守しており、ラボナの個人輸入代行は一切行っておりません。

SNS や広告で「オオサカ堂でラボナを入手できる」といった情報が流れていても、当社とは無関係の誤情報となりますので、注意が必要です。

ラボナの個人輸入は違法

健康上のリスクを考える以前に、知っておかなければならない事実があります。

それは、ラボナの個人輸入が法律で固く禁じられた「犯罪」であるということです。

この章では、ラボナが「第2種向精神薬」に指定されている法的な背景と、違反した場合に科せられる懲役刑などの厳しい罰則について解説します。

向精神薬取締法における第2種向精神薬に該当

麻薬及び向精神薬取締法において、ラボナの有効成分(ペントバルビタールカルシウム)は「第2種向精神薬」に指定されています。第2種向精神薬とは、乱用された場合の危険性や依存リスクが高いものの、医療上の有用性も認められている薬物のことです。

この指定により、ラボナは麻薬に準じた極めて厳しい管理下に置かれています。医師の処方箋なしでの販売や使用は許されません。そして、最も重要な点として、向精神薬の輸入は、海外で治療中の本人が、帰国時に自分自身の治療薬として持ち込む「携帯輸入」を除き、全面的に禁止されています。

たとえ本人が携帯して持ち帰る場合でも、許可されるのは「1か月」が上限です。それを超える場合は、日本を出国する前に厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に申請し、「輸入確認証」を取得しなければなりません。 こうした手続きをすることなく、郵便、国際宅配便、あるいは個人輸入代行業者を通じて海外から取り寄せる行為は、すべて「輸入」と見なされ、例外なく違法となります。

軽い気持ちでSNSなどに「ラボナ買います」「余ったので譲ります」と投稿する行為も、向精神薬の売買や譲渡にあたり、麻薬及び向精神薬取締法と薬機法の両方で処罰の対象となります。一度の過ちが、あなたの人生に「前科」という消えない記録を残すことになるのです。

「ラボナ 最強」などインターネット上の行き過ぎた表現について

インターネット上で見かける「ラボナ 最強」という言葉の誘惑は非常に危険です。

この章では、その言葉が持つ本当の意味と、使用者を過量投与や深刻な依存へと導くリスクを解き明かします。

医薬品に関するネットの情報を鵜呑みにすることの危うさを知り、その真実を見抜くための冷静な視点を提供します。

催眠作用の裏にあるリスク

医薬品において「作用の強さ」は決して「安全性の高さ」を意味しません。ラボナの場合、「最強」の催眠作用の裏には、呼吸が止まる「最強」のリスクが存在します。効果が出る量と致死量の差が非常に狭い薬を「最強」と称賛する言説は、知識のない使用者を安易な過量投与へと誘導し、結果として重篤な中毒事故を招きかねない、極めて危険なミスリードです。

即効性の裏にあるリスク

「すぐに効く」という即効性の裏には、一度使うとやめられなくなる「最強」の依存性が潜んでいます。薬がもたらす急激な変化に脳が依存し、薬なしではいられない状態へと急速に陥る危険があります。

鎮静効果の裏にあるリスク

そして、「最強」の鎮静効果の裏には、人生を破壊しかねない「最強」の副作用があります。ラボナはこれまで述べてきたように、さまざまな副作用のリスクから原則として使用が推奨されない薬であり、現在不眠症などで処方を受けているという方がいるとすれば、恐らくこれまであらゆる薬物療法を試みたがうまくいかず、医師も最後の手段として選択せざるを得ないという状況などが予想されます。患者個々の背景はネット社会ではこぼれ落ち、「最強」といった断片的な情報だけが拡散されている点に注意して、医学的なエビデンスと法的なリスクを冷静に把握することが重要です。

ラボナが販売中止になった?

ラボナ錠は現在も田辺三菱製薬の医療用医薬品として薬価基準に収載されており、製造・販売は継続しています。

一方で、日本では「ラボナ」と同じ有効成分ペントバルビタールを含有した注射剤の「ネンブタール注射液」がかつて販売されていましたが、2009年に販売中止し現在は流通していません。

経口剤であるラボナ錠は厳格管理下で供給が続き、製造元の供給情報や添付文書、厚労省の医薬品リストにも販売中止の告知はありません。

(参考文献:田辺三菱製薬 医療関係者サイト Medical View Point

ラボナの正規入手方法

では、違法で危険な個人輸入ではなく、正規のルートで不眠の悩みを解決するにはどうすればよいのでしょうか。

この章では、専門医への相談が唯一の道であること、そしてラボナに代わる、より安全で優れた現代の治療選択肢が存在するという希望ある事実を、具体的な手順とともに紹介します。

① 専門医の受診が絶対条件

まず、精神科や睡眠外来といった専門医を受診することが全ての始まりです。医師は、あなたの不眠の原因が何か(うつ病、身体の痛み、生活リズムの乱れなど)を正確に鑑別します。その上で、睡眠習慣の指導や認知行動療法(CBT-I)といった、薬を使わない治療が優先的に検討されます。

② 処方は最短期間・最小量が原則

薬物治療が必要と判断された場合でも、国内の治療ガイドラインでは、ラボナのような薬の処方は「2週間以内の必要最少量」が原則とされ、安易な長期処方は行われません。呼吸機能などを常に監視できる、入院管理下で慎重に投与されるケースもあります。

③ 代替選択肢の活用が基本

現在、不眠症治療の主流は、ラボナよりもはるかに安全で、作用と副作用のバランスに優れた薬剤です。非ベンゾジアゼピン系(ゾルピデム等)、オレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント、レンボレキサント等)、メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン等)など、あなたの症状やライフスタイルに合った選択肢が複数存在します。医師はこれらの薬から、最適なものを選択します。

④ 海外治療における携帯ルール

海外で適法に処方されたラボナを、治療継続のために1か月分を超えて日本に持ち込む必要がある場合に限り、事前に「輸入確認証」を申請し、処方箋や医師の診断書(英文)を携帯することで、合法的に再入国が認められます。これはあくまで極めて限定的な例外措置です。

ラボナ個人輸入に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 海外の病院で処方されたラボナを、家族にEMS(国際郵便)で送ってもらえば合法ですか?

A.違法です。 郵送や宅配便を利用した時点で「輸入」行為にあたり、向精神薬は受取人が本人であっても全面的に禁止されています。法律で唯一認められているのは、本人が治療薬として自ら携帯して帰国する場合(1か月分以内)のみです。

Q2. 国内のフリマアプリやSNSに出品されているラボナを購入しても問題ないですか?

A. 重大な違法行為であり、絶対に手を出してはいけません。ラボナは向精神薬であるため、フリマアプリやSNSなどでの無許可販売は薬機法違反行為です。知らずにうっかり違法取引に手を染めないよう、十分に注意しましょう。

Q3. 医師がラボナを処方してくれません。どうしたらいいですか?

A.まず、医師がラボナを安易に処方しないのは、あなたの安全を最優先に考えているからです。大切なのは、治療の目標を医師と共有し、再設定することです。 「ラボナが欲しい」と主張するのではなく、「夜中に何度も目が覚めて辛い」「朝早く目が覚めてしまい、日中眠くて仕方ない」など、あなたの具体的な症状を正直に伝え、代替薬や、認知行動療法などを組み合わせた治療プランを一緒に相談していくことが、根本的な解決への最も確実な道です。

まとめ:ラボナは個人輸入できない

ラボナは第2種向精神薬に指定され、個人輸入は郵送・宅配・代行購入を含め法律で全面禁止です。

違反すると懲役刑と罰金刑のどちらかまたは両方が科せられ、薬は税関で没収されます。

SNSやフリマでの譲渡・転売を頼ることも同罪です。

作用が強く、呼吸抑制や依存形成の危険が高く、ネット上には偽造品も多いため、安全を守る唯一の道は専門医を受診し正規ルートで治療を受けることです。

確かな効果と安全性を得るには、医師の診断のもとで適切な薬や睡眠療法を選択し、生活習慣の見直しを含めた包括的なケアを受けることが不可欠です。

監修者コメント
監修者の写真

向精神薬であるラボナ(ペントバルビタール)について、作用・副作用や法律上の規制などについて解説しました。かつて処方されたことのあるお薬がまた欲しくてオオサカ堂を訪れる方は多いかもしれません。しかし睡眠薬に限らず、薬というのは正しい目的や使い方を守って初めて有効性を得られるものですし、安全性を得るにはさらに様々な注意が必要となります。ご自身で判断に迷う時は、ぜひ医療の専門家の力を頼って欲しいと思います。

 - 薬剤師コラム

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