2025/11/20
オメガ3サプリメントを服用している方の中には、「酸化した油は体に悪い」「心臓に負担がかかる」といった情報を見て不安になっている方もいるのではないでしょうか。
オメガ3は体に良い成分として広く知られており、「品質」と「摂取方法」が適切であれば健康への効果が期待できます。
例えば、オメガ3サプリメントによる関節リウマチの症状緩和や、高用量のオメガ3脂肪酸による中性脂肪値を下げる可能性が示唆されています(参考文献:オメガ3系脂肪酸|厚生労働省eJIM)。
この記事では、オメガ3が「体に悪い」と言われる主な理由と、安全かつ効果的に取り入れるための注意点を薬剤師が解説します。
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目次
- 結論:オメガ3が体に悪いは嘘!「質と摂取法」を間違えなければ健康の強い味方
- オメガ3が体に悪いと言われる理由①最も危険な「酸化」のリスク!体内で毒に変わる仕組みとは
- オメガ3が体に悪いと言われる理由②過剰摂取による副作用!胃腸の不調や出血傾向
- オメガ3が体に悪いと言われる理由③摂りすぎに注意!「心房細動」のリスク
- オメガ3が体に悪いと言われる理由④魚由来サプリの落とし穴!「重金属・汚染物質」の懸念
- オメガ3が体に悪いと言われる理由⑤前立腺がんのリスクあり?相反するエビデンスもある
- 「オメガ3サプリは効果なし」は誤解?摂りにくいからこそのサプリの価値
- 【オメガ3の肌への効果】乾燥・ニキビ・くすみに内側からアプローチ
- 薬剤師が教える『安全なオメガ3サプリ』実践的チェックリスト
- オメガ3は体に悪いに関するよくある質問(Q&A)
- まとめ:オメガ3が体に悪いかは飲み方による!正しい摂取で本当の効果を発揮
結論:オメガ3が体に悪いは嘘!「質と摂取法」を間違えなければ健康の強い味方
体に悪いと言われることもあるオメガ3ですが、それ自体が体に悪いわけではありません。
「酸化した油」や「過剰摂取」がリスクとなります。
オメガ3とは、n-3系脂肪酸とも呼ばれる体内で作れない必須脂肪酸です。
青魚の油に多く含まれるEPA(イコサペント酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)や、えごま油などに含まれるα-リノレン酸などの総称で、不足すると皮膚炎などを発症します(参考文献:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省)。
一方で、心血管リスクの高い患者を対象とした海外の研究では、オメガ3の高用量摂取により、心房細動がわずかに増えたという報告もあり、摂り方には注意が必要です(参考文献:JAMA. 2020 Dec 8;324(22):2268-2280.)。
そのため、オメガ3は「質の良いもの」を「適切な量」摂取することを守れば、中性脂肪の改善や炎症の防止など多くのメリットが期待できる健康の強い味方です。
オメガ3が体に悪いと言われる理由①最も危険な「酸化」のリスク!体内で毒に変わる仕組みとは
オメガ3が体に悪いと言われる最大の理由は、油の「酸化」です。
オメガ3は多価不飽和脂肪酸に分類される油で、構造的に酸化しやすく、光や熱、空気により劣化します。
酸化した油は「過酸化脂質」という有害物質に変化し、これが体内に取り込まれると、細胞をおおう「細胞膜」に蓄積します。
過酸化脂質の蓄積により、細胞は外部からの刺激に弱くなり、ダメージを受けやすくなるのです。
これが、酸化したオメガ3が細胞膜を破壊する毒に変わる仕組みです。
・光が当たりにくい遮光容器を使用する
・酸化防止剤ビタミンE配合製品を選ぶ
・製品開封後は冷蔵保管や早めの消費を心がける
オメガ3が体に悪いと言われる理由②過剰摂取による副作用!胃腸の不調や出血傾向
オメガ3は生体に必要な栄養素ですが、副作用も報告されています。
- 不快な味
- 口臭
- 悪臭を伴う汗
- 頭痛
- 胸やけ、悪心、下痢など胃腸症状
(参考文献:オメガ3系脂肪酸|厚生労働省eJIM)。
また、オメガ3の一種イコサペント酸エチルは医療用医薬品として販売されており、製品の添付文書には、出血に対し注意喚起しています。
これはイコサペント酸エチルの血小板の働きを抑える作用により、血液がサラサラになるためで、鼻出血や皮下出血、消化管出血などが報告されています(参考文献:エパデールS添付文書)。
オメガ3は中性脂肪の低下や心血管イベントの抑制といったメリットをもたらす一方で、過剰に摂取すると出血傾向などのデメリットを引き起こすため、摂取量には注意が必要です。
オメガ3が体に悪いと言われる理由③摂りすぎに注意!「心房細動」のリスク
オメガ3が心臓に悪いと言われている理由が、この「心房細動」のリスクによるものです。
オメガ3は脂質異常症の治療にも医薬品として使われるほど、本来は体にいい成分です。
しかし、海外の臨床試験では、イコサペント酸エチルを1日4g摂取したところ、入院を必要とする心房細動や心房粗動のリスクが増加したと報告されています(参考文献:N Engl J Med. 2019 Jan 3;380(1):11-22.)。
また、7つの試験を分析した研究では、オメガ3サプリを摂取した群は、プラセボ群と比較して、心房細動のリスクが25%上昇すると報告されています(参考文献:Circulation. 2021 Dec 21;144(25):1981-1990.)。
なお、心房細動のリスクは、摂取量によって異なるとも述べられています。
1日1g超:心房細動のリスクは 1.49倍(49%上昇)
ただし、この結果は結論付けられたものではなく、今後のさらなる研究が必要な点は注意が必要です。
この結果だけ見ると、オメガ3は恐いもの!と解釈してしまいそうですが、注意が必要です。オメガ3脂肪酸が投与される患者の多くは、心血管疾患の既往や高リスク因子を持つため、ベースラインで心房細動のリスクが高い場合が多いです。そのような高リスク集団においては、相対リスク1.49倍の上昇は、臨床的に無視できない絶対的なリスク増加につながります。健常者に当てはまるリスク上昇ではない点に注意してください。
オメガ3が体に悪いと言われる理由④魚由来サプリの落とし穴!「重金属・汚染物質」の懸念
魚由来のオメガ3サプリでは、水銀やPCB、ダイオキシンといった汚染物質の懸念があります。
食物連鎖により有害物質が大型魚の脂肪組織に蓄積しやすくなるためです。
これはオメガ3自体のリスクではなく、製造工程における品質の問題です。
しかし日本においては、食品衛生法やメーカーの自主基準によって、一定の安全性が保たれています。
また、医療用医薬品においては、原料の時点で厳しい基準が設けられており、安全性の確保が求められます。
この「汚染リスク」と「酸化リスク」は、どちらも製品の品質の問題であり、購入の際に選ぶ商品によって避けられます。
自社サイトにて製造工程を開示しているかなど、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶのが重要です。
オメガ3が体に悪いと言われる理由⑤前立腺がんのリスクあり?相反するエビデンスもある
オメガ3が前立腺がんのリスクを高めるという情報があります。
いくつかの大きな研究にて、長鎖オメガ3脂肪酸の血中濃度が高いと前立腺がんのリスクが増えたと報告しています。
しかし別の研究では、魚介類を頻繁に食べる男性は、前立腺がんでの死亡リスクが低く、オメガ3の食事からの摂取量と前立腺がんのリスクは関連しないとする報告もあります。
このように相反する結果が報告されている理由は、解明されていません(参考文献:オメガ3系脂肪酸|厚生労働省eJIM)。
結果として、オメガ3が前立腺がんを引き起こすというエビデンスは確立していない状況です。
なお、国内の公的機関では、現時点ではオメガ3の前立腺がんリスクについて、特別な注意喚起は行われていません。
「オメガ3サプリは効果なし」は誤解?摂りにくいからこそのサプリの価値
オメガ3のサプリメントは効果がないという報告があります(参考文献: オメガ3脂肪酸サプリメントは心血管疾患の二次予防に有効か?|CareNet)。
一方で、別の研究では、1日4gの高用量のイコサペント酸エチルを投与したところ、心血管に関するリスクを25%減少させました(参考文献:N Engl J Med. 2019 Jan 3;380(1):11-22.)。
厚生労働省はオメガ3の1日摂取目安量として、下記の通り目標を掲げています。
成人男性:1.98~2.62g/日
成人女性:1.48~2.25g/日
(参考文献:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省)。
しかし、現代の食生活ではオメガ3を多く含む食品(青魚など)を毎日食べるのは難しく、摂取量が目安量を下回る人が多くいます。
普段の食生活では不足しがちな栄養素を手軽に補えるため、サプリメントの活用が有効です。
【オメガ3の肌への効果】乾燥・ニキビ・くすみに内側からアプローチ
オメガ3は肌の細胞膜の柔軟性を保ち、皮膚のバリア機能を強化する働きがあり、体だけでなく、肌へも良い影響を与えることが報告されています。
マウスでの研究ですが、オメガ3が紫外線による皮膚の水分蒸発を抑制し、角質層の水分保持機能を保つ助けとなる可能性が示唆されました。これにより、乾燥肌の予防が期待できます(参考文献:Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2024 Apr:203:102641.)。
また、魚油サプリメントの摂取でニキビ症状が改善したという報告(参考文献:Lipids Health Dis. 2012 Dec 3;11:165.)や、EPAやDHAが血管の柔軟性を高め末梢血流を改善する報告があります(参考文献:Atherosclerosis. 2014 Jan;232(1):10-6.00614-X/fulltext)、J Am Soc Hypertens. 2017 Jan;11(1):10-19.)。
このように血行改善により、肌細胞への酸素や栄養の供給が活性化し、くすみの解消に役立つ可能性が期待されるのです。
薬剤師が教える『安全なオメガ3サプリ』実践的チェックリスト
オメガ3を安全に服用するには、サプリメントの見極めが重要です。
特に「酸化」「過剰摂取」「品質」に注意することで、安心して継続できます。
購入の際に注目すると良いポイントをまとめました。
- 製造ロットごとに酸化度を管理しているか
- 原料とする魚の種類や産地、精製方法が公開されているか
- 心房細動のリスク防止のため、1日の摂取量は多すぎないか
- 製造品質を担保するため、第三者機関による品質検査を受けているか(認証マークの有無)
- 酸化防止対策として、光を遮る容器に入っているか、酸化防止剤(ビタミンEなど)が添加されているか
これらのポイントを抑えて、自分の生活に無理なく続けられる製品を選ぶことが重要です。
オメガ3は体に悪いに関するよくある質問(Q&A)
Q1. オメガ3は心臓に悪影響を及ぼしますか?
海外ではオメガ3を高用量(1日4g)投与したところ、心房細動が増えたという報告があります。
オメガ3は生体内で合成できず、不足すると皮膚炎などを発症するため、必須脂肪酸とされています
厚生労働省の食事摂取基準によると、オメガ3の摂取目安量は、
成人男性で1.98~2.62g/日
成人女性で1.48~2.25g/日です(参考文献:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省)。
また、オメガ3の摂取について、公的機関から特段の注意喚起はされていません。
過剰摂取は避け、適量を取り入れましょう。
Q2. DHAやEPAのサプリは危険ですか?
適切に品質が管理されている製品を目安量の範囲で取り入れる限り、危険性は低いと考えられます。
注意すべきポイントは、酸化した製品の摂取や過量摂取を避けることです。
これにより、細胞毒性や心房細動のリスクを避けることができます。
サプリメントを選ぶ際は、品質の管理された製品を見極め、1日摂取目安量を守るようにしましょう。
なお、血液をサラサラにする薬を服用している方は、出血のリスクが高まるため、服用前に医師に相談してください。
Q3. オメガ3はLDL(悪玉)コレステロールを下げますか?
オメガ3が、LDL(悪玉)コレステロールを下げるという明確なデータは確認できませんでした。
一般的に、オメガ3は中性脂肪を下げますが、LDLコレステロールはわずかに上昇させるか、変化させないことが多いとされています(参考文献:J Am Heart Assoc 2023 Jun 6;12(11):e029512.)。
したがって、LDLコレステロールの低下を目的として、オメガ3サプリメントの服用は推奨されません。
総合的には、中性脂肪の改善と心血管のリスク低下に関連する可能性が高いとされています。
まとめ:オメガ3が体に悪いかは飲み方による!正しい摂取で本当の効果を発揮
オメガ3が体に悪いと言われる背景には、酸化した製品など品質の問題や過剰摂取といった複数の要因があります。
適切な量と品質に気をつければ、中性脂肪の改善や抗炎症作用、肌への効果など多くのメリットが期待できます。
オメガ3は、化学的に非常に不安定で酸化しやすいため、製品を選ぶ際は酸化防止対策がされているか、品質検査を受けているかといった情報を頼りにすると良いでしょう。
また、過剰摂取を避けるため、1日摂取目安量を守ることも重要です。
安全に摂取するポイントを押さえながら無理なく続けることで、オメガ3のメリットを取り入れてください。

オメガ3は酸化による品質劣化や過剰摂取が体に悪いと言われる主な理由ですが、これらは避けられるリスクです。記事が示すように、オメガ3自体は中性脂肪の改善や抗炎症作用、肌への効果など多くのメリットが期待できる必須脂肪酸です。しかし、高用量摂取による心房細動のリスクや出血傾向といった注意点も指摘されています。 高品質な製品を選び、摂取目安量を守ることが、オメガ3の真価を引き出す鍵です。不安に流されず、正しい知識で健康的な食生活をサポートしましょう。
【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム(薬剤師在籍)
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