「ラクトアイスは植物油脂の塊」「安いアイスは体に悪い」といった情報を見ると、普段食べているアイスを買い続けてよいのか不安になる方もいるでしょう。 特に、身近なアイスをよく食べる方にとっては、自分や家族の健康に影響がないのか気になるところです。
ただし、ラクトアイスは法律上の分類がある食品であり、乳固形分3.0%以上を含むアイスクリーム類として定められています(参考文献:乳及び乳製品の成分規格等に関する命令|厚生労働省)。
問題となるのは、ラクトアイスそのものではなく、食べる量や頻度、商品ごとの栄養成分です。 この記事では、ラクトアイスが体に悪いと言われる理由と、アイスクリームやアイスミルクとの違い、食べ過ぎを防ぐ工夫まで解説します。
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目次
【結論】ラクトアイスが体に悪いは誤解が多い!適量なら問題なし
ラクトアイスは、食べたからといってすぐに健康を害する食品ではありません。 体に悪いと言われる背景には、植物油脂、添加物、糖質、脂質、カロリーへの懸念があります。 日本で販売される食品は、食品衛生に関する基準や表示ルールのもとで流通しており、食品添加物も安全性評価を受けたうえで使用基準が定められています。
文部科学省の日本食品標準成分表では、ラクトアイス普通脂肪は100gあたり217kcal、脂質13.6g、炭水化物22.2gとされています(参考文献:ラクトアイス/普通脂肪|日本食品標準成分表八訂増補2023年)。 商品や食事全体の内容にもよりますが、量を決めて食べる程度であれば、過度に避ける必要はありません。 一方で、毎日大容量を食べる習慣があれば、摂取エネルギーや脂質、糖類が増えやすくなります。
ラクトアイスが体に悪いと言われる理由7選!アイスクリームとの違いは?
理由①植物油脂に含まれるトランス脂肪酸への心配
植物油脂はトランス脂肪酸が多いと考え、不安になる方もいます。 たしかに、ラクトアイスには乳脂肪の代わりに植物油脂を使う商品があります。 ただし、植物油脂を使っているからといって、必ずトランス脂肪酸を多く含むとは限りません。 厚生労働省のQ&Aでは、日本人のトランス脂肪酸摂取量はWHOの目標量を下回っているとされています。
注意したいのは、ラクトアイスだけでなく、揚げ物や菓子類など脂質の多い食品をよく食べている場合の食生活です(参考文献:トランス脂肪酸に関するQ&A|厚生労働省)。
理由②カロリーや脂質、糖質が高く太りやすい?
太りやすさは、1個あたりのエネルギーと食べる頻度で変わります。 文部科学省の日本食品標準成分表では、ラクトアイス普通脂肪は100gあたり217kcalですが、商品によってカロリーや脂質が高くなる場合があります(参考文献:ラクトアイス/普通脂肪|日本食品標準成分表八訂増補2023年)。
たとえば、食後に大きめのカップアイスを毎日食べると、その分だけ1日の摂取エネルギーは増えます。 夕食の量は変えずにアイスを習慣化すると、体重増加につながりやすくなります。 反対に、週に数回の間食として量を決めて食べる程度であれば、ラクトアイスだけを過度にする必要はありません。
理由③添加物、人工甘味料に対する安全性への不安
食品添加物が気になる場合は、入っているかどうかだけでなく、どの程度の量を摂取する可能性があるかを見る必要があります。 食品添加物は、国の安全性評価を踏まえて使用が認められています。 添加物によっては、一日摂取許容量(ADI)が設定され、使用できる食品や使用量の基準が定められます。
ラクトアイスを食べたからといって、ただちに添加物の許容量を超えることはほぼありません。 食品添加物の考え方を詳しく知りたい方は、味の素やハイミーの安全性を解説した記事もご参照ください。
理由④植物油脂は乳脂肪より悪い?違いと共通点
乳脂肪は牛乳に含まれる脂肪、植物油脂は植物由来の油脂で、どちらも脂質であるためエネルギーは1gあたり約9kcalです。 乳脂肪には短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸も含まれます。 一方、ラクトアイスに使われる植物油脂の種類によっては、パーム油のように長鎖の飽和脂肪酸であるパルミチン酸を多く含むものもあります。
ただし、植物油脂全体が乳脂肪より悪いとはいえません。 「どちらが体に良い」と単純に比較できるものではなく、取り入れる量や食全体のバランスによって体への影響は異なります。
理由⑤オーバーラン(空気の含有量)が招く食べ過ぎのリスク
ラクトアイスは、ふんわり軽い食感の商品も多く、思ったより早く食べ切ってしまう場合があります。 アイスは製造時に空気を含ませて作られており、この空気の割合をオーバーランと呼びます。 口当たりが軽いと満足感を得る前に「気づくと1個食べ切っていた」という状況になることもあり、食べ過ぎには注意が必要です。
理由⑥生活習慣病や虫歯、冷えなどの体調不良への影響
ラクトアイスだけで生活習慣病や虫歯になるわけではありません。 ただし、糖質を含むアイスを毎日のように食べると、間食から摂るエネルギーや糖類が増えやすくなります。 虫歯についても、甘いものを食べる頻度が高く、歯みがきが不十分な状態が続けばリスクは高まります。
冷えや胃腸の不快感については、ラクトアイス特有の問題というより、冷たいものを一度に食べたときに起こりやすい体調変化と考える方が自然です。
理由⑦価格の安さ=低品質という先入観
ラクトアイスは、アイスクリームより安く販売される商品が多いため、低品質と見られる場合があります。 しかし、価格の安さだけで安全性や品質は判断できません。 ラクトアイスは「安いアイス」という意味ではなく、乳固形分の割合によって分類された種類の一つです(参考文献:乳及び乳製品の成分規格等に関する命令|厚生労働省)。
アイスクリームより乳成分は少ないものの、法律上の基準を満たして販売されている食品です。
アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイス・氷菓の違いとは
意外と知らない!アイスクリーム類の種類、特徴について
アイスは、乳成分の量などによって「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」「氷菓」に分けられます。
| 種類 | 基準 | 特徴 |
|---|---|---|
| アイスクリーム | 乳固形分15.0%以上、乳脂肪分8.0%以上 | 乳成分が多く、濃厚な味わい |
| アイスミルク | 乳固形分10.0%以上、乳脂肪分3.0%以上 | アイスクリームより乳成分は少ないが、ミルク感がある |
| ラクトアイス | 乳固形分3.0%以上 | 植物油脂を使う商品もあり、比較的手頃な価格の商品が多い |
| 氷菓 | 上記以外(果汁やシャーベット類) | シャーベットやアイスキャンディーなど |
乳脂肪分が多いほど、濃厚な味わいですが、カロリーも高くなります(参考文献:乳と乳製品のQ&A|一般社団法人日本乳業協会)。
乳固形分、乳脂肪分とは?
乳固形分とは、牛乳や乳製品に含まれる水分以外の成分で、たんぱく質、脂質、糖質、ミネラルなどが含まれます。 乳固形分のうち脂肪にあたる部分が乳脂肪分です。
乳脂肪分が高いほどコクと濃厚さが増しますが、カロリーも上がります。 アイスクリームが「濃くておいしい」と感じられるのは、この乳脂肪分によるものです。
ダイエットに向いているのはどのアイス?
ダイエット中に選ぶなら、まずは種類名よりも1個あたりのエネルギーを確認しましょう。 氷菓は脂質が少ない商品が多く、カロリーを抑えやすい傾向があります。 一方で、アイスクリームは乳脂肪分が多くカロリーは高くなりやすいものの、少量で満足できる場合があります。
ラクトアイスは商品差が大きいため、ラクトアイスだから低カロリーとは判断できません。 カップの大きさ、1個あたりのエネルギー、脂質、炭水化物を見て選ぶのが現実的です。
牛乳をそのまま凍らせたらどれになる?
牛乳をそのまま凍らせても、一般的なアイスクリームにはなりません。 アイスクリームやアイスミルク、ラクトアイスは、乳成分の基準だけでなく、製造方法や衛生基準も関係します。
なお、牛乳は無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上とされています(参考文献:乳及び乳製品の成分規格等に関する命令|厚生労働省)。 実際に家庭で牛乳を凍らせたものは、分類上のアイスクリーム類として販売される食品とは別です。
失敗しない!パッケージで見極めるチェックポイント
配合原材料名と順番をチェック!
ラクトアイスを選ぶときは、パッケージの種類別、原材料名、栄養成分表示を確認しましょう。 原材料名は、原則として使用した重量の割合が高いものから表示されます。 「砂糖」や「植物油脂」などが先頭に来る製品は、糖質や脂質が多い可能性があります。
栄養成分表示では、100ml(g)あたりではなく、1個あたりのエネルギー、脂質、炭水化物を確認します。 パッケージ裏面の原材料欄で順序を、栄養成分表示ではエネルギーを確認する習慣をつけると、自分に合った製品を選びやすくなります。
「食べてはいけない」ランキングに惑わされないリテラシー
「食べてはいけない」などと不安を煽るような情報は、判断材料の一つにとどめるべきです。 SNSや動画で拡散されるランキング情報の多くは、特定の成分名を取り上げて危険性を強調する一方で、摂取量との関係や科学的根拠を示さないものが多くあります。
食品のリスクは食べる量や頻度、ほかの食事内容、体質、年齢によっても変わるため、成分名だけで決まるものではありません。 食品添加物についても、消費者庁は安全性評価を受けたうえで使用基準を定めていると説明しています(参考文献:食品添加物|消費者庁)。
食べ過ぎない工夫!タイミング、回数、量がポイント
アイスを食べる際は、量と頻度、タイミングを決めておくと食べ過ぎを防ぎやすくなります。 量の目安としては、週に数回、1回1個を目安にすると摂取カロリーや脂質の増えすぎを防ぎやすくなります。 日本食品標準成分表では、ラクトアイス普通脂肪は100gあたり217kcalで、150g食べると単純計算で約326kcalになります(参考文献:ラクトアイス/普通脂肪|日本食品標準成分表八訂増補2023年)。
1個当たりのエネルギーを把握し、食べ終わったら容器をすぐ片付ける、まとめ買いを避けるなど、食べ続けにくい環境を作る方法もあります。 食べるタイミングは、夜遅くより日中の方が調整しやすいです。
夕食に追加して食べると、1日の総エネルギーが増えやすくなります。 食べたい日は、夕食の主食や揚げ物を少し控えるなど、1日全体で調整する意識が大切です。
食べ過ぎを避けるためのおすすめ代替デザートは?
アイスを控えたい時は、欲求を完全になくすよりも、似た満足感を得られる代替品に切り替えるほうが長続きします。 たとえば、無糖ヨーグルトに冷凍フルーツを少量加える、果物を小皿に盛る、氷菓を選ぶといった方法があります。
また、凍らせたバナナは1本(100g)あたり約93kcalで、滑らかな食感がアイスに近く、砂糖を加えなくても十分な甘さがあります(参考文献:果実類/バナナ/生|日本食品標準成分表八訂増補2023年)。
一方で、ナッツやドライフルーツは健康的な印象がありますが、少量でもカロリーが高くなりやすいため、食べる量を決めておく必要があります。 アイスを禁止するのではなく、アイスと交互に取り入れるのが継続しやすく現実的です。
「ラクトアイスは体に悪い」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ラクトアイスとアイスミルクどちらがいいですか?
乳成分の多さで選ぶなら、アイスミルクのほうが乳固形分と乳脂肪分の含有量は高くなります。 乳脂肪分が3.0%以上のアイスミルクのほうが濃厚である分、少量で満足感を得やすい傾向があります。
一方でラクトアイスは比較的安価で手軽というメリットがありますが、口当たりが軽いため食べ過ぎに注意が必要です。 健康面では分類名だけでなく、1個あたりのカロリー、脂質、炭水化物を確認して選ぶとよいでしょう。
Q2. 太りやすいアイスはどれですか?
アイスクリームは乳脂肪分が多く、カロリーが高くなりがちです。 なお、ラクトアイスでも植物油脂や糖類が多い商品では、カロリーが高くなる場合があります。
大きいカップを毎日食べる、食後に追加で食べるといった習慣が続くと、体重増加につながりやすくなります。 太りやすさは、アイスの種類だけでなく、1個あたりのカロリーと食べる頻度で変わります。
Q3. ラクトアイスの何がよくないのですか?
ラクトアイス自体が悪い食品というわけではありません。 注意したいのは、カロリー、脂質、炭水化物を取りすぎる食べ方です。
食品添加物や植物油脂を不安に感じる人もいますが、日本で使われる食品添加物は安全性評価と使用基準のもとで管理されています(参考文献:食品添加物|消費者庁)。 栄養成分表示で摂取カロリーを把握しながら、食事とあわせて量を調整しましょう。
まとめ:ラクトアイスが体に悪いのは量が問題!リスクを知って美味しく食べよう
ラクトアイスは適量であれば、ただちに避ける必要はありません。 体に悪いと言われる理由は、植物油脂、添加物、カロリー、脂質、糖質への不安からくるものです。 食品添加物については、安全性評価を受けたうえで使用基準が定められており、基準のもとで使用が認められています。
食べる場合は、毎日食べるのではなく、週に数回・1回1個など、自分の中で量と頻度を決めておくとよいでしょう。 また、普段の食事とあわせてカロリー過多にならないよう調節することも大切です。
比較的安価で口当たりも良くつい食べ過ぎてしまいがちなラクトアイスですが、パッケージの原材料表示と内容量を確認し、おいしく食べてください。

ラクトアイスは安価で口当たりが良い反面、食べ過ぎによる脂質や糖類の過剰摂取には注意が必要です。しかし、国の厳格な安全基準を満たして流通しているため、適量であれば健康を害するものではありません。購入時はパッケージの栄養成分表示や原材料をチェックする習慣をつけ、食べる頻度や量を上手にコントロールしましょう。日頃の食生活とのバランスを意識し、賢く美味しく楽しんでください。
【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム(薬剤師在籍)
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