「最近よく聞く『マンジャロ』って、オオサカ堂で注文できるかな?」そうお考えの読者の方もいらっしゃるかもしれません。
マンジャロは持続性GIP/GLP-1受容体作動薬として注目されていますが、その入手方法には正しい知識が必要です。(参考文献:GLP-1 受容体作動薬及び GIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について|厚生労働省)
この記事では、オオサカ堂公式ブログとして薬剤師の視点から「マンジャロ オオサカ堂」での取り扱い状況の真実、そしてマンジャロを安全に、正規に入手するための具体的な方法について詳しく解説します。

【監修】オオサカ堂 薬事チーム
薬学分野に精通した有資格者が豊富な経験を活かして医薬品情報を厳格にチェック。分かりやすい薬学的アプローチで解説しています。

【ガイド】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
おかげさまで28年間、安心信頼の個人輸入代行・オオサカ堂のコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。YMAA 資格保有者が執筆・監修。
他の人はこちらも検索しています
目次
オオサカ堂ではマンジャロの取り扱いはありません
私たちオオサカ堂では、多くの医薬品・サプリメントを取り扱っていますが、週1回投与のチルゼパチド注射製剤「マンジャロ」に関しては、現時点で取り扱いの予定はありません。
マンジャロは2023年に日本国内で販売が開始された「2型糖尿病」の治療薬で、自己注射が可能な注射剤です。
自己注射が認められている医薬品とその使用に用いる注射器は、用法用量からみて1か月分以内であれば輸入確認手続きを要せずに個人輸入が可能とされていることから、マンジャロの個人輸入は明確に禁止されていません。現時点でオオサカ堂でマンジャロの取り扱いはありませんが、その理由やマンジャロの適正な使用方法などについて、詳しく解説したいと思います。
マンジャロとは?
近年、2型糖尿病治療薬として、またその体重減少効果から大きな注目を集めているのが「マンジャロ(一般名:チルゼパチド)」です。
マンジャロは、従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とGLP-1の両方の受容体に作用する世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。
血糖値の改善効果に加え、食欲を抑制し体重減少を促す効果が期待されています。
特に、既存のGLP-1受容体作動薬よりも高い体重減少効果を示した臨床試験の結果も報告されており、肥満症治療薬としての需要が高まったことから、2024年12月には全く同じ有効成分の肥満症治療薬「ゼップバウンド」が承認されて話題になりました。チルゼパチドは、GLP-1やGIPという血糖値や食欲などの多様な生理反応に関わるホルモンの受容体に作用しますが、主なはたらきとしては、
- 血糖値が高い時にだけインスリン分泌を促進する
- 血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑制する
- 胃の内容物の排出を遅らせ、満腹感を持続させる
- 食欲中枢に働きかけ、食欲を抑制する
などが挙げられます。これにより、食事療法や運動療法だけではコントロールが難しい2型糖尿病患者さんの血糖管理、体重管理を助けるとともに、肥満症の治療薬としても注目されています。

ただし、マンジャロはその効果の高さから注目される一方で、適切な使用方法や副作用について正しく理解し、必ず医師の指導のもとで使用する必要がある医薬品です。
主な副作用と対処法
マンジャロで最も多い副作用は吐き気・嘔吐・下痢・便秘・腹痛などで、特に投与開始初期や投与量の増量期に起こりやすいといわれています。このような消化器症状は、こまめな水分補給、1回の食事量を減らす、脂質・食物繊維過多を控えるなどの対処法によって軽減しやすいです。
めまい・激しい腹痛・冷や汗などは低血糖症状のおそれがあるため、放置せず主治医へ連絡しましょう。また、普段どおりに食事や生活を行えないようなときを「シックデイ」といい、シックデイ時には血糖値の乱れや急性の合併症などが起こりやすいといわれているため、適切な対処方法などについて医療者から説明を受けることが大切です。
GLP-1受容体作動薬について
マンジャロの作用メカニズムやはたらきについては前項で詳しく解説しましたが、マンジャロのメイン作用の一つでもある「GLP-1受容体」へのはたらきを持つ医薬品は、近年目覚ましい開発が進んでいます。
日本国内では、リラグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、チルゼパチドの4つの有効成分が、2型糖尿病もしくは肥満症の治療薬として承認されています。なかでもセマグルチドに関しては「糖尿病治療のゲームチェンジャー」として大きな期待を背負った、世界初、唯一の経口GLP-1受容体作動薬が2021年に発売開始され、大きな話題を呼んでいます。
これまでGLP-1受容体作動薬は、口から摂取しても胃酸などで分解されてしまうために経口剤を作るのは不可能とされてきました。経口セマグルチド製剤は、「吸収促進剤」という物質を配合することでこの難点の解消に成功しました。
ただし、緻密な製剤設計を維持するためには、起きたらすぐに空腹の状態で・少量(120mL以下)の水のみで・噛んだり砕いたりせずに丸ごと服用するといった細かい注意点もあります。
またGLP-1受容体作動薬は新規性の高い成分のため、長期的な身体への影響はメリット・デメリットいずれも研究途上といえます。今後、注射剤・経口剤を問わずさらに研究が進む領域であることは間違いないでしょう。
昨今SNSでマンジャロが若年層に人気である背景について
マンジャロが若年層に広まった背景には、以下があります。
①TikTokやXで「1本で-5kg」と劇的な減量体験を投稿するインフルエンサーが急増し、成功談が連鎖的に拡散したことがあります。
②夜職や接客業で即効性を求める20代が美容クリニックの自由診療広告を共有し、ハッシュタグ検索で入手方法や費用レビューを把握しやすくなったことも一因です。
③週1回の注射で食欲が低下するという“努力不要”の訴求がサプリより魅力的に映り、同年代の口コミが「安全性より結果」を重視する同調圧力を生んでいます。
マンジャロが若年層で人気なのは、週1回注射の手軽さと即効性がSNS上で拡散し、美容クリニック広告や口コミで入手方法と費用が可視化され、結果重視の同調圧力が強まったためです。
しかし繰り返しお伝えする通り、マンジャロは2型糖尿病の治療薬であり、美容痩身などの目的で使用していい薬ではありません。
副作用など重大リスクの周知は遅れており、厚生労働省や各種医療学会や団体が非常に厳しく懸念を示しているのが実状です。
安易な自己判断を避け、必ず医師の診察を受けることが重要です。
Yahoo!ニュースにもマンジャロのダイエット目的使用について注意喚起記事が掲載(2025年7月21日)
昨今加熱するマンジャロを使ったダイエットブームについて、大手ニュースサイトのYahoo!ニュースにも取り上げられています。
厚生労働省の担当者は、「自由診療で使うことは違法ではないが、糖尿病の治療目的以外で使うことは安全性が確認されておらず、副作用が生じる可能性もあるので適正な使用を呼びかけている」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/397f0bce7e726e47c9438ab0f6612728ab0c25c5
オオサカ堂以外のマンジャロの正規入手方法は?
マンジャロやゼップバウンド(いずれもチルゼパチド)は「処方せん医薬品」であり、医師による診療と処方により使用する必要があります。
そのため最初のステップは、糖尿病内科や肥満治療の専門クリニックを受診することです。
初診では、身長・体重・BMI・血圧といった基礎計測のほか、空腹時血糖、肝・腎機能、膵酵素を含む詳細な血液検査を行い、
- 2 型糖尿病の血糖コントロールが不十分
- BMI 35 以上(合併症リスクを2つ以上伴う場合はBMI 27 以上)の肥満症
といった適応条件を満たしているかを確認します。肥満症に関して特に注意しておきたいのがBMI値です。例えば身長160cmの人であれば、BMI 35 以上というのは体重にすると89.6kgです。合併症リスク群のBMI 27 でも体重にすると69.1kgです。つまり体重がこれを下回る場合には、チルゼパチドを肥満症の治療に使用するのは適切でないということになります。
診察から処方までの流れ
適応判定と治療同意
医師は検査結果と既往歴を踏まえ、マンジャロの効果と副作用、投与スケジュールを説明。患者は副作用と効果、自己注射の方法について理解したうえで薬の交付を受けます。
段階的増量プロトコル
吐き気などの副作用を抑えるため、週1回 2.5mgから開始し、4週間以上投与した後に、状態に合わせて増量が必要か主治医が判断し、2.5 mgずつ段階的に増量。
フォローアップ
初期は 2〜4 週ごと、安定後は1 か月ごとに診察。肝胆道系酵素、腎機能、消化器症状などをチェックし、必要に応じて用量調整や併用薬の見直しを行います。
マンジャロを正規入手方法以外で買うリスクとは?
マンジャロを含めたGLP-1受容体作動薬は、その有効性の高さから国内外で需要が急増しています。
非正規のルートや個人間の取引で流通している医薬品には、偽造薬や品質の劣る粗悪品が紛れ込んでいる可能性が極めて高いと、国内外の規制当局や専門機関が警鐘を鳴らしています。
これらの不正な製品は、見た目だけを本物に似せて巧妙に作られている場合があり、一般の消費者が見分けることは非常に困難です。
有効成分の含有量に関する問題
例えば、最も多い手口の一つが、有効成分の含有量に問題があるケースです。本来含まれているべきマンジャロの有効成分であるチルゼパチドが全く含有されていなかったり、表示されている量よりも著しく少なかったり、あるいは逆に危険なほど過剰に含まれていたりすることがあります。有効成分が不足していれば期待した治療効果は全く得られませんし、過剰に含まれていれば重篤な副作用を引き起こす直接的な原因となり得ます。
表示とは異なる危険な成分の混入
また、表示されている成分とは全く異なる有害な化学物質が混入している危険性もあります。予期せぬアレルギー反応(アナフィラキシーショックなど)を引き起こしたり、肝臓や腎臓といった重要な臓器に深刻なダメージを与えたり、最悪の場合は生命に関わるような重篤な健康被害につながる恐れも否定できません。
不衛生な製造・管理体制による品質劣化
さらに、これらの偽造薬や粗悪品は、医薬品としての品質管理が全く期待できない、不衛生極まりない環境で製造・保管されている可能性が高いと考えられます。製造過程で有害な不純物が混入したり、適切な温度管理がなされずに有効成分が分解・変質してしまっていたり、細菌やカビなどに汚染されていたりするケースも報告されています。このような製品を使用すれば、感染症を引き起こしたり、薬効が失われていたり、予期せぬ有害事象が発生したりするリスクがあります。
オオサカ堂でマンジャロを注文に関するよくある質問
Q1. オオサカ堂で今後マンジャロが買える予定は?
現時点では、オオサカ堂ではマンジャロの取り扱いを開始する予定はありません。
Q2.海外通販でマンジャロを個人輸入できますか?
マンジャロは新規性の高い医薬品であり、後発品なども開発されていないため個人輸入はほぼ不可能と考えるべきです。また上述したように、医師の診療と処方が必要なリスクの高い注射剤です。信頼性に劣る海外サイトから購入したり、第三者に購入を代行させたりする行為は違法の恐れがあるため避けましょう。
Q3. 個人輸入できないのであれば、ダイエット目的だけでも処方してもらえる?
自由診療クリニックでは BMI などの基準を満たせば処方されるケースがありますが、継続的な診察・血液検査が前提です。軽度の体重オーバーや「短期間でイベントまでに痩せたい」といった美容目的のみでは処方を断られることも珍しくありません。加えて、仮にクリニックで処方された場合でも、適切な使用とはいえない条件により生じた副作用は「副作用被害救済制度」が適応されず、その代償はとても大きくなる可能性があります。SNSなどの情報を鵜呑みにすることなく、専門家の意見を参考にすることが重要です。
まとめ:オオサカ堂でマンジャロの取り扱いはありません。医師の適切な指導のもと、正規ルートで安全に使用しましょう
くれぐれも、偽造薬や粗悪品による深刻な健康被害のリスク、あるいは自己判断による不適切な使用が招く取り返しのつかない事態を避けるため、出所不明な海外サイトからの購入や、SNSなどを介した個人間取引といった非正規なルートでの入手は絶対に避けてください。
「簡単に痩せたい」という課題は、老若男女誰もが抱える悩みです。
しかし、その効果を最大限に引き出し、同時に安全性を確保するためには、必ずその薬剤の専門家である医師・薬剤師の指導のもと、適切な用法・用量を守って使用することが何よりも不可欠です。
ご自身の状況に合わせてアクセスしやすい方法を選び、まずは専門家のアドバイスを求めることが賢明な第一歩といえるでしょう。

チルゼパチドをはじめとする GIP/GLP-1 受容体作動薬は、作用機序や多様な働きが度々話題となるほど革新的な成分です。一方で “GLP-1 ダイエット” などの不適切使用にも大きな懸念があります。この記事が正しい使い方とリスクを考えるきっかけになれば幸いです。
関連記事
-
-
【薬剤師執筆】急増している梅毒について解説します。①前編
こんにちは。今回のテーマは近年日本で急増している「梅毒」について。梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、男女関わらず性行為によって感染します。一度感染すると1年以上感染力を保持することがあるにも関 …
-
-
【薬剤師監修】睡眠薬マイスリー(ゾルピデム)は個人輸入・通販NG!トラブル回避の正しい入手方法とは
「海外通販で マイスリー 個人輸入 すれば安く手に入るのでは?」 そう考えて検索している方は要注意です。 マイスリー(一般名ゾルピデム)は第3種向精神薬に分類され、日本では麻薬及び向精神薬取締法の規制 …
-
-
【薬剤師監修】サイレース(フルニトラゼパム)の個人輸入はなぜ禁止?正しい入手方法ガイド
「サイレース 個人輸入」という検索ワードでここにたどり着いたあなたは、手持ちの睡眠薬が切れそうで焦っている、あるいは処方までのハードルを感じて“ネットで買えないか”と考えているかもしれません。 しかし …
-
-
【薬剤師監修】メラトニンサプリが日本で発売されない理由について解説
海外旅行先や通販サイトで「メラトニンサプリ」を目にしたことはありませんか。 「睡眠の質を高める」と聞き、試してみたいと思っても、日本のドラッグストアや薬局では見かけません。「なぜ日本では売っていないの …
-
-
【薬剤師執筆】急増している梅毒について解説します。②後編
こんにちは。本日のコラムは、近年日本で急増している「梅毒」についての後編です。梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、男女関わらず性行為によって感染します。前編では梅毒の基本的な情報や日本で …