2025/12/19
病院で出された処方せんを持って薬局に行くと、毎回ジェネリック医薬品を希望するか聞かれてうんざりすることはありませんか。
「ジェネリックで薬局が儲けているのでは?」と思ったり、過去のジェネリックの品質に関するニュースを見て不安を感じたりする人もいるかもしれません。
ジェネリックについては、国の方針として「2029年度末までに数量シェアを80%以上にする」という目標が掲げられています(参考文献:後発医薬品(ジェネリック医薬品)及びバイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進について|厚生労働省)。
実際には、ジェネリックを調剤したからと言って薬局が儲かることはありません。
国の医療制度による背景を原因に、薬局では儲からなくてもジェネリックをすすめるのです。
この記事では、薬局がジェネリックをすすめる本当の理由や、国の制度などについてわかりやすく説明します。
【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
おかげさまで28年間、安心信頼の個人輸入代行・オオサカ堂のコンテンツ制作チーム。専門知識を活かし、正確で分かりやすい情報発信を心がけています。 薬剤師資格保有者が監修。
目次
【結論】ジェネリックで薬局は儲かるわけではない!それでも薬局はジェネリックをすすめる
(※薬の値段は国が決めており、薬局が勝手に価格設定することはできません)
薬局の経営は国の意向に大きく左右されるため、薬局にとってジェネリックの推進は、国の定める基準をクリアし、薬局を存続させるために必要なことなのです。
ジェネリックで薬局が儲かるわけではないのにしつこくすすめる3つの理由
理由①国の医療費削減方針と評価制度
薬局において、調剤する薬のうち「ジェネリック医薬品が占める割合」が、国からの評価(報酬)に直結する仕組みです。
報酬が増える(加算)
基本料が減らされる(減算)
ペナルティ対象
薬局が経営を維持し、地域に安心できる医療を提供し続けるためには、「国の求める基準(ジェネリックの普及)」を満たすことが不可欠なのです。
理由②変更不可でなければジェネリックが当たり前の認識
実は、処方せんの様式自体が「ジェネリック医薬品の調剤」を前提とした仕組みになっています。
先発医薬品でなければなりません。
「薬局でジェネリックに変更できる」
とされています。
現在、医療現場においては「基本的にジェネリックで調剤するのが当たり前」という認識が定着しています。
そのため、チェックがない限り、薬局ではジェネリックをおすすめしています。
筆者の勤めていた薬局でも、初回来局時のアンケートで先発品を希望しない方にはジェネリックで調剤をしていました。
聞かれてない!と思うこともあるかもしれませんが、直接聞かれるケースとアンケートに書いてあるケースがあることを覚えておきましょう。
理由③使用感などを除けば薬学的に効果は変わらない
- 薬の効き方
- 治療効果
- 安全性(吸収や働き)
- 錠剤の大きさ・形
- 味や匂い
- 飲みやすさ(改良されることも)
薬局では、製品の試験結果などを専門家の目で確認し、効果・品質に問題がないと判断したものだけを採用しています。
だからこそ、患者さんに自信を持って切り替えをご提案できるのです。
【薬局経営の舞台裏】薬で「儲かる」は昔の話!薬局は国が定める改定に追いつく必要がある
薬局の苦悩①毎年の薬価改定と2年に一度の調剤報酬改定が経営を左右
薬局の経営は、国の方針(改定)によって大きく変動します。現在は「単に薬を渡すだけ」では生き残れない厳しい時代へと変化しています。
薬局は常に「在庫の価値が下がるリスク」を抱えています。
近年は「実績」がなければ収益が確保できない仕組みに変わってきました。
これからの薬局経営は、制度の変化にいかに柔軟に対応し、「国が求める機能(体制)」を作れるかがカギとなります。





筆者の勤めていた薬局でも、2年に1回の調剤報酬改定時は改定ないように追いつく体制を整えることに必死でした。
薬局の経営は国がハンドリングしている部分があるため、国の方針に対応していかないと経営自体が立ちいかなくなるのです。
薬局の苦悩② 「薬を渡すだけ」では生き残れない!「かかりつけ」など対人業務への評価シフト
国は今、薬局に対して「業務のあり方」を根本から変えるよう求めています。
渡すだけ
地域への貢献
ジェネリック医薬品の推奨もその一環です。
「質の高い医療サービスを提供している」と国や地域から認識されなければ生き残れない、というのが今の薬局の実情であり、現場は必死に取り組んでいます。
薬局の苦悩③ 大手資本とIT化の波:二極化する薬局とM&Aの加速
ドラッグストアや大手チェーンの台頭に加え、薬局には今、高度なIT化への対応が求められています。
小規模店を吸収し、さらに拡大していく。
経営難に陥るケースが増加。
厳しい環境の中で、地域に根差した薬局として存続するためには、経営の安定が不可欠です。
だからこそ、「ジェネリックの普及」など国の施策にしっかりと対応し、基盤を固める必要があるのです。
薬局でジェネリックをすすめられた時の対処法
こだわりがなければ基本的にジェネリックで問題はない
基本的にジェネリックを選択して問題ありません。
- 錠剤を小型化
- 苦味を抑える味の工夫
- 口の中で溶けるタイプへ変更
安くても、品質改善のために工夫されている製品が増えています。
家計にも優しく、飲みやすいジェネリックを一度試してみてはいかがでしょうか。
「しつこい」「断りたい」と感じた時のスマートな伝え方
「何度もすすめられて断りにくい…」と感じる必要はありません。
患者さんには選ぶ権利があります。希望しないことを率直にお伝えいただければ、それ以上無理にすすめることはありません。
もし特別な理由がある場合は、薬剤師にお伝えいただくとスムーズです。
あなたの情報が、今後の安全な薬の管理に役立つことがあります。
-
体調の変化
「以前ジェネリックに変えたら、体調や副作用が変わった気がする」 -
使用感の違い
「味や溶け方など、先発品の方が自分に合っていた」 -
飲み間違い防止
「薬の色や形で覚えているため、間違えないように変えたくない」
「なんとなく先発品がいい」と伝えていただいて問題ありません。





筆者の勤めていた薬局でも、先発品を希望される方は一定数いました。
先発品を希望する患者さんに薬剤師は慣れているので、特に気にする必要はありません。
信頼できるジェネリック医薬品を選ぶためのチェックポイント
それでも品質や使用感が心配な方は、薬局で以下のポイントを確認・相談してみましょう。
「添加物が違うのも気になる…」という方には、AGという選択肢があります。
先発医薬品メーカーから許諾を受け、先発品と全く同じ方法で作られたジェネリックです。
(オリジナル)
中身は同じ
すべての薬にAGがあるわけではありません。AGがない場合は、信頼できる「大手メーカー」のジェネリックかどうかも一つの判断材料になります。
「ジェネリック 薬局 儲かる」に関するよくある質問(Q&A)
Q1. なぜ薬局はジェネリックをすすめてくるのですか?
日本の保険制度は、世界的に見ても非常に優れたシステムです。
1割 〜 3割 で済む
安心の制度
数十万円 かかることも
(全額自己負担の場合など)
皆が安心して医療を受け続けるためには、限界が近づいているのです。
制度を守るためには、国、医療機関、そして患者さんを含めた「全員」が医療費削減に取り組む必要があります。
そのための具体的かつ効果的な手段が、ジェネリック医薬品の使用なのです。
「日本の医療制度を未来に残すため」という目的があります。
Q2. ジェネリック医薬品の欠点は何ですか?
ジェネリックは先発品と有効成分は同じですが、コーティング剤や結合剤などの「添加物」が異なる場合があります。
これにより、稀に以下のような影響が出ることがあります。
もし切り替えてみて「調子が悪い」「間違えそう」と感じた場合は、無理に続ける必要はありません。
薬剤師に相談して、元の先発品に戻すことも可能ですので、遠慮なくお伝えください。
Q3. 先発品とジェネリックのどちらがいいですか?
治療効果の同等性は確認されています。
ご自身の「価値観」に合わせて選択してください。
「安い方がいいけど、品質が心配…」という場合は、先発品と中身が同じジェネリック「オーソライズド・ジェネリック(AG)」という選択肢もあります。





外用薬など塗り薬の場合は、逆にジェネリックの方が使用感が改善されているケースもあります。
この辺りは薬剤師が把握しているので、湿布薬の剥がれにくさや点鼻薬の押しやすさなど、気になる点は確認してみましょう。
まとめ:ジェネリックで薬局が儲かるわけではない!薬局との付き合い方が変わる時代へ。
薬局がジェネリック医薬品をすすめる理由は、儲かるからではありません。
実際には、国の厳しい基準や制度の改定に対応し、地域医療を守るために努力しているのが現状です。
慣れ親しんだ先発品か、薬剤費を抑えられるジェネリック、どちらを選ぶか決定権は患者さんにあります。
無理にジェネリックを選択する必要はありませんが、医療費削減のために検討しても良いかもしれません。
医療制度の移り変わりとともに、薬局は単に薬を渡すだけではなく、地域に根差した医療を支える存在へと変わりつつあります。
患者さんが安心して薬を飲み続けられるよう、薬局は絶えず努力しています。
薬について疑問点や不安、希望がある場合はぜひかかりつけ薬局にご相談ください。


薬局がジェネリックを推奨するのは、単なる利益目的ではなく、国の医療制度や薬局の体制維持が背景にあります。ジェネリックの使用は医療費の節約というメリットがある一方、添加物の違いで使用感が異なる可能性も理解しておく必要があります。最終的な選択権は患者様自身にあるので、無理に変更せず、不安な点は薬剤師へ相談し納得して選ぶことが大切です。
【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム(薬剤師在籍)
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