アーモンドミルクは、最近の健康ブームによって、「第3のミルク」として親しまれています。
ところが「アーモンドミルク」で検索すると、「肝臓に悪い」というキーワードが表示されて不安になった方もいるのではないでしょうか。
低カロリー・低糖質でコレステロールゼロといったヘルシーなイメージとは異なり、困惑していることと思います(参考文献:アーモンドミルクの特徴|アーモンドミルク研究会)。
実際には、アーモンドミルクが肝臓に悪いという科学的な根拠は、ほとんど確認されていません。
この記事では、アーモンドミルクは本当に肝臓に悪いのか、実際に考えられる注意点や効果について、薬剤師の視点からわかりやすく解説します。

【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
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目次
- 【結論】「アーモンドミルク 肝臓に悪い」は根拠が薄い
- アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選①加糖タイプの糖負荷とカロリー過多
- アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選②飲み過ぎ誤解
- アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選③「アーモンド」自体のアレルギー反応との混同
- アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選④加工食品全体への漠然とした不信感
- アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選⑤ネットの誤情報
- アーモンドミルクで言われている危険性とは
- アーモンドミルクを飲む効果は?
- アーモンドミルクを飲み続けた結果、体に起こることは?
- アーモンドミルクと肝臓に関するよくある質問(Q&A)
- まとめ:アーモンドミルクが肝臓に悪い、危険と言われるのは誤解
【結論】「アーモンドミルク 肝臓に悪い」は根拠が薄い
「アーモンドミルクが肝臓に悪影響を及ぼす」という、明確な科学的根拠は見つかりませんでした。
アーモンドミルクは、水に浸して柔らかくしたアーモンドを細かく砕き、ペースト状にしたものを濾過して作られた植物性飲料です。
名前にミルクと付いていますが、牛乳は使われていません(参考文献:アーモンドミルクの特徴|アーモンドミルク研究会)。
原料のアーモンドには、ビタミンやミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸などが豊富に含まれています。
そのなかでも抗酸化作用を持つビタミンEや、生活習慣病の予防効果が期待されているオレイン酸は、肝臓への負担を軽減する可能性があります。
では、なぜアーモンドミルクが「肝臓に悪い」と言われるようになったのか、その理由を調べました。
アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選①加糖タイプの糖負荷とカロリー過多
アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる大きな理由の一つが、加糖タイプに含まれる糖分とカロリーです。
糖質を過剰に摂取すると、肝臓で中性脂肪として蓄えられるため、脂肪肝のリスクを高める可能性があります。
参考に、無糖タイプと加糖タイプの含有糖質量とエネルギー量を調べたところ、大きく差があることがわかります。
製品 | 糖質 | エネルギー |
無糖タイプ | 0.9 g | 39 kcal |
加糖タイプ | 9.8 g | 80 kcal |
(参考文献:アーモンドミルク商品ラインアップ|グリコ)
加糖タイプを飲み続けると、気付かないうちに糖質やカロリーの過剰摂取となり、間接的に肝臓への負担となります。
習慣的に飲む場合は、できるだけ無糖タイプを選ぶと安心です。
アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選②飲み過ぎ誤解
アーモンドを食べ過ぎると脂質やカロリーの過剰摂取となり、脂肪肝のリスクを高める可能性があります。
この内容が、アーモンドミルクにも当てはまると誤って認識されているケースです。
しかし実際には、アーモンドミルクはアーモンドに比べてカロリーや脂質が低いので、同様のリスクを心配する必要はほとんどありません(参考文献:アーモンドミルクのカロリー・栄養素計算 / アーモンド(炒り・無塩)のカロリー・栄養素計算|あすけん)
ただし、飲み過ぎると食物繊維の過剰摂取となり、下痢や腹痛を引き起こすことがあります。
肝臓ではなく消化器系への問題ですが、こちらも肝臓に悪いと混同されたと考えられます。
アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選③「アーモンド」自体のアレルギー反応との混同
ナッツアレルギーを持つ人にとって、アレルギー反応は非常に重大な問題です。
アーモンドは「特定原材料に準ずるもの」として、食品表示法にもとづいてアレルギー表示が推奨されています(参考文献:食物アレルギー表示に関する情報|消費者庁)。
このアーモンド自体のアレルギー反応が、アーモンドミルクも危険という不安につながり、「アーモンドミルクは肝臓に悪い」と混同され、広まったものとみられます。
これまでアレルギー反応がなかった人でも、体質や体調によってはアレルギーを引き起こす可能性もあるため、初めて飲むときは少量から試すと安心です。
アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選④加工食品全体への漠然とした不信感
市販のアーモンドミルクには、飲みやすさや保存性を高めるために、添加物が使われています。
その中でも、増粘剤の「カラギーナン」について、一部のサイトにて腸管の炎症や潰瘍、さらにガンを引き起こす可能性が指摘されていました(参考文献:アーモンドミルクなどにも使用されてきたカラギーナンが禁止材料に!|Good Plants)。
しかし、欧州食品安全機関(EFSA)は、カラギーナンの有害性の懸念を否定しています(参考文献:食品安全関係情報詳細|内閣府)。
このように、食品添加物に対する漠然とした不安や不信感が、アーモンドミルクは肝臓に悪いという認識につながった可能性があります。
アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる理由5選⑤ネットの誤情報
アーモンドミルクが肝臓に悪いと言われる背景には、インターネット上で広まった誤情報があります。
例えば「加糖タイプの糖質・カロリー過多」は、無糖タイプには当てはまらないにもかかわらず、アーモンドミルク全体のリスクとして説明されるケースがあります。
また、「アーモンドの過剰摂取による脂肪肝」のリスクが、実際にはカロリーの低いアーモンドミルクに当てはめられました。
さらに、アレルギーや添加物への不安と結びつき、漠然と「アーモンドミルクは肝臓に悪い」というイメージが強調されています。
こうした断片的な情報がSNSやインターネット上で拡散された結果、科学的根拠が乏しいにもかかわらず不安が広がったと考えられます。
アーモンドミルクで言われている危険性とは
アーモンドミルクを摂取する際は、危険性やいくつかの注意点があります。
①ナッツアレルギーの危険性
ナッツアレルギーがある人は、飲めません。
体質や体調によっては、アレルギーを引き起こす可能性もゼロではありません。
初めて飲む人は、少量から試すのが安心です。
②加糖タイプによる糖質・カロリー過多
ダイエットや美容・健康を目的とする場合でも、加糖タイプを飲み続けると、糖質やカロリーの取り過ぎとなり、肥満や脂肪肝のリスクを高める可能性があります。
③食物繊維の過剰摂取による胃腸障害
アーモンドミルクを飲み過ぎると、食物繊維の過剰摂取となり、腹痛や下痢の原因になることがあります。1日コップ1杯200ml程度を目安に、飲み過ぎないことがポイントです。
アーモンドミルクを飲む効果は?
アーモンドミルクに含まれる栄養素には、健康や美容をサポートする働きがあります。
①ビタミンE
抗酸化作用による老化防止や美肌づくり、血流促進による冷えや肩こりの改善に役立つとされています(参考文献:現代人に嬉しいビタミンEの効果|アーモンドミルク研究会)。
②食物繊維
食物繊維は体内に吸収されず、便秘解消・腸内環境の改善に効果的です(参考文献:食物繊維の働きと1日の摂取量|長寿科学振興財団)。
③オレイン酸
オリーブオイルにも含まれているオレイン酸は、血中のコレステロールをコントロールし、生活習慣病の予防効果が期待されています(参考文献:植物油と栄養|日本植物油協会)。
また、牛乳でおなかを壊しやすい人やアレルギーがある人にとって、代替品として飲めるのも特徴です。
アーモンドミルクを飲み続けた結果、体に起こることは?
アーモンドミルクを長い間飲み続けた場合、ビタミンEの抗酸化作用による美肌効果や、食物繊維による腸内環境の改善が期待できます。
一方で、加糖タイプを飲み過ぎると、糖質・カロリー過多による肥満のリスクが増加します。
また、食物繊維の過剰摂取は、下痢や腹痛を引き起こすだけでなく、他の栄養素の吸収をさまたげる可能性があるため、注意が必要です(参考文献:食物繊維の働きと1日の摂取量|長寿科学振興財団)。
豊富な栄養素を含む反面、たんぱく質やビタミンB12、カルシウムなどが不足しやすくなるため、他の食品等で補うことを心がけましょう。
アーモンドミルクと肝臓に関するよくある質問(Q&A)
Q1.アーモンドミルクは1日のうち、どのタイミングにどれくらい飲んだらいいですか?
A.1日あたり200ml(コップ1杯)が目安です。
多くても600ml(コップ3杯)を目安に、毎日の習慣として取り入れやすい時間帯に飲むと続けやすくなります。
なお、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、1日当たりのビタミンEの必要量は、成人女性で5.0〜7.0mg、男性で6.5〜7.5mgとされています(参考文献:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省)。
コップ1杯で1日のビタミンE必要量が補えます。
Q2.アーモンドミルクは肝臓への負担を減らすのですか?
A.アーモンドミルクに含まれるビタミンEには抗酸化作用があり、非アルコール性脂肪肝炎の改善に役立つ可能性が示唆されています(参考文献:日本トキシコロジー学会学術年会|J-STAGE)。
ただしこの報告は動物実験によるもので、すべての人に当てはまるとは限りません。
また、ビタミンEは1日の上限量(成人女性で650mg~700mg、成人男性800mg)が決められており、過剰な摂取には注意が必要です(参考文献:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省)。
Q3.アーモンドミルクは牛乳の代わりになりますか?
A.牛乳で下痢しやすい人やアレルギーがある人にとって、安心して飲める代替飲料です。
食物繊維を多く含むので、腸内環境の改善も期待できます。
一方で、牛乳に多く含まれるカルシウムやたんぱく質などは少ないので、他の飲食物から補う必要があります。
目的に応じて使い分けると良いでしょう。
まとめ:アーモンドミルクが肝臓に悪い、危険と言われるのは誤解
「アーモンドミルクは肝臓に悪い」というのは、科学的根拠が乏しく誤解であることをお伝えしてきました。
この背景には、加糖タイプの糖質・カロリー過多や、アーモンド自体の過剰摂取、アレルギー反応との混同、加工食品への不信感といった別の要素が切り取られ広まったと考えられます。
アーモンドミルクは、低カロリー・低糖質でありながら、ビタミンEや食物繊維、オレイン酸などを豊富に含む飲料です。
無糖タイプを1日200 ml程度飲むことで、美肌効果や老化防止、腸内環境の改善が期待できます。
毎日の生活を健康的に送るため、正しい知識をもって日常に取り入れてはいかがでしょうか。

「アーモンドミルクは肝臓に悪い」という不安の声に対し、科学的根拠を基にその真相を調査しました。結論として、問題は製品に含まれる「糖分」や「添加物」、そして「飲み過ぎ」にあり、無糖タイプを適量飲む分には心配ありません。この記事が、皆様の誤解を解き、豊富な栄養を持つアーモンドミルクを賢く、そして安心して楽しむための一助となれば幸いです。
監修・オオサカ堂 コンテンツ制作チーム
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