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もろみ酢が肝臓に悪いと言われる理由5選!薬剤師が教える噂の真相ともろみ酢の効果

      2025/12/04

もろみ酢は沖縄の地酒である泡盛を製造する過程で生まれる発酵飲料で、クエン酸やアミノ酸を豊富に含んでいます(参考文献:もろみ酢って何?|もろみ酢公正取引協議会)。
健康志向の高まりによって注目を集める一方で、「もろみ酢は肝臓に悪い」という噂を耳にして不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
実際には、適量であればもろみ酢が肝臓に悪影響を及ぼすことはありません。
むしろ疲労回復やストレス緩和、美容への効果が期待され、健康に役立つ成分を含んでいるため、おすすめできる清涼飲料水です。
この記事では、もろみ酢が肝臓に悪いという誤解が生まれた5つの原因と、もろみ酢の効果的な飲み方について、薬剤師が解説します。

オオサカ堂コンテンツ制作チーム

【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム

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【結論】もろみ酢は肝臓に悪くない!医療従事者がむしろ推奨する3つの理由

もろみ酢は適切な摂り方をすれば、肝臓に悪い影響を及ぼすことはありません。
それどころか日々の健康をサポートする飲料として、おすすめできる食品です。
その理由は、以下3つの成分を含んでいるからです(参考文献:もろみ酢の成分とそのはたらき|もろみ酢公正取引協議会)。

もろみ酢の成分
  1. クエン酸:
    クエン酸により、クエン酸回路(TCAサイクル)を活性化させます。エネルギー代謝を促進するため、疲労回復に役立ちます。
  2. アミノ酸:
    体を作る材料となるアミノ酸を豊富に含みます。特に体内で「必須アミノ酸」が含まれているため、補給に効果的です。
  3. GABA:
    もろみ酢にはGABA(γ-アミノ酪酸)も含まれています。GABAにはストレス緩和作用があり、リラックス効果が期待できます。

もろみ酢が肝臓に悪いと言われる理由5選①一般的な「食酢」の強い酸(酢酸)と混同されている

もろみ酢が肝臓に悪いと誤解される原因の一つが、一般的な食酢との混同です。
通常の食酢(米酢や穀物酢など)の主成分は「酢酸」で、特有の刺激臭と強い酸味があります(参考文献:食酢の種類について教えてください。|農林水産省)。
空腹時に原液で飲むと、胃や食道の粘膜を刺激します。
一方でもろみ酢は沖縄の地酒・泡盛の蒸留後に残る酒粕(もろみ)から作られるため、酢酸はほとんど含みません。

もろみ酢の成分と安全性

  • 主成分は「クエン酸」です
    レモンや梅干しに含まれる成分と同じで、一般的なお酢(酢酸)に比べて刺激がマイルドなのが特徴です。
  • 肝臓へのダメージはありません
    「お酢の刺激が内臓に悪い」と誤解されがちですが、それは酢酸と混同されている可能性があります。もろみ酢が肝臓に悪影響を与えることはありません。
  • 飲むタイミングの工夫
    酸性ではあるため、空腹時に原液を大量に飲むと胃腸の負担になることがあります。食中や食後に飲むのがおすすめです。

もろみ酢が肝臓に悪いと言われる理由5選②どんな食品にも当てはまる「過剰摂取」への懸念

もろみ酢に限ったことではありませんが、どんな健康食品も過剰に摂取すれば体に負担がかかる恐れがあります。
もろみ酢を大量に摂取した場合、含有するクエン酸により懸念される問題は次の通りです。

クエン酸で懸念される問題

①胃腸障害:胃粘膜を刺激し胃痛や下痢等を引き起こす可能性
②酸蝕歯(さんしょくし): 強い酸が歯のエナメル質を溶かすリスク


また、製品によっては糖分を含む商品もあり、糖分過多となるリスクもあります。
なお、肝臓は体に取り込まれた成分を代謝・解毒する臓器です。
もろみ酢を大量に摂取すると肝臓の処理作業が増えることになり、肝臓に負担がかかります。

もろみ酢が肝臓に悪いと言われる理由5選③加糖タイプの「糖分」が健康に与える影響

もろみ酢には飲みやすくするために、黒糖などの糖分を添加している製品も多く販売されています。
そのため、加糖タイプのもろみ酢をジュース感覚で毎日飲んでいると、糖分を過剰に摂取することになるのです。

⚠️ 知っておきたい糖質のリスク

余分な糖分は中性脂肪として肝臓に蓄積され、脂肪肝のリスクを高めます。
また、過剰摂取は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)などの進行に影響する可能性が示唆されています。

肝臓への負担を抑えるため、
糖質無添加の「無糖タイプ」を選びましょう。

(参考文献:糖尿病2018年61巻5号p. 297-306)。

もろみ酢が肝臓に悪いと言われる理由5選④「紅麹」など他の健康食品問題とのイメージ混同

一部の健康食品で、特定の成分による健康被害がニュースになることがあります。
最近では、紅麹サプリメントによる肝機能障害などの健康被害が、大きく取り沙汰されました。
これにより、「発酵食品=カビなどの原因となり危険」という発想に繋がり、もろみ酢も同様に疑われることがあります。
しかし、もろみ酢と紅麹は全く別のプロセスで製造されており、成分も異なります。
もろみ酢は泡盛の製造過程で自然発酵したもろみからでき、紅麹のように特定の菌を後から添加して作られるものではありません(参考文献:安心・安全の製造工程|もろみ酢公正取引協議会)。
一部の健康食品の問題を、他の健康食品に当てはめてしまうのは誤解の元となります。

もろみ酢が肝臓に悪いと言われる理由5選⑤持病(肝臓・胃の疾患)がある場合の摂取リスク

健康な人には問題がなくても、肝臓や胃に疾患を抱えている方がもろみ酢を取り入れる場合は、注意が必要です。

「肝臓に悪い」という噂の正体

胃潰瘍など特定の疾患を持つ方が摂取すると、酸の刺激で症状が悪化する場合があります。この「特定の人へのリスク」が誤って広まり、全ての人にとって肝臓に悪いかのような誤解を生んでいる可能性があります。

自己判断はNG!まずは医師へ相談を 肝疾患・消化器疾患のある方は、
安全のため必ずかかりつけ医にご相談ください。

もろみ酢の効能!肝機能をサポートする仕組み【アミノ酸とクエン酸】

もろみ酢は、肝機能を間接的にサポートするアミノ酸とクエン酸を豊富に含みます。
体内で合成できない必須アミノ酸を含むため、ぜひ取り入れたい成分です(参考文献:もろみ酢の成分とそのはたらき|もろみ酢公正取引協議会)。
アミノ酸は幹細胞の修復や、肝細胞が働くための酵素の材料であり、肝臓の健康維持に重要な成分です。
また、クエン酸はエネルギー代謝の中心となるクエン酸回路(TCAサイクル)を活性化します。
肝臓はこのサイクルを通じて栄養素をエネルギーに変換しているため、クエン酸を補給することで肝臓の働きを円滑にします。
このように、もろみ酢により肝臓のサポートが期待できます。

【もろみ酢と黒酢との違い】疲労回復を重視ならクエン酸のもろみ酢!料理に活用なら酢酸の黒酢

もろみ酢と黒酢はどちらも健康に良いとされる発酵食品ですが、原料や成分、製造方法が異なります(参考文献:もろみ酢って何?|もろみ酢公正取引協議会第7号:鹿児島の壺造り黒酢第44号:琉球もろみ酢|農林水産省)。

もろみ酢 黒酢
主成分 クエン酸 酢酸
原料 タイ米 玄米
製造方法 泡盛の蒸留後に残った
蒸留粕をしぼったもの
屋外で数年間
発酵・熟成
クエン酸の酸味と
黒麹の香り
酢酸の
ツンと来る酸味

クエン酸は疲労物質である乳酸の分解を促進するため、疲労回復目的の場合はもろみ酢が適しています。
一方で黒酢は玄米を長期間発酵・熟成して作られ、酢酸を豊富に含んでいます。
酢酸は抗菌作用や血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待され、料理の調味料として使いやすいのが特徴です。
このように、疲労回復目的にはもろみ酢、料理にコクを出したい場合は黒酢と、目的や味の好みに合わせて使い分けると良いでしょう。

もろみ酢の効果的な飲み方は?安全な摂取量や副作用を紹介

もろみ酢を安全・効果的に取り入れるには、適量と飲み方のポイントを押さえておきましょう。
一日の摂取目安量は30ml(大さじ2杯程度)
とされています。
一度に大量をのむよりも、1日1~2回に分けて、毎日こつこつ続けることが大切です(参考文献:もろみ酢の飲み方|もろみ酢公正取引協議会)。
空腹時に飲むと胃を刺激することがあるので、食事中や食後に飲むと胃への負担が減らせます。
また、運動後の摂取もおすすめです。
ストレートでも飲めますが、飲みにくい場合はお湯や炭酸水で割ると飲みやすくなります。
食品のため、重篤な副作用は基本的にありませんが、体質に合わない場合はすぐに中止してください。
なお、過剰摂取による胃腸障害や加糖タイプによる糖分の摂りすぎには注意しましょう。
また、酸による歯のエナメル質の溶解を防ぐため、飲んだ後にはうがいや水を飲むことをおすすめします(参考文献:Evidence That Daily Vinegar Ingestion May Contribute to Erosive Tooth Wear in Adults)。

「もろみ酢が肝臓に悪い」に関するよくある質問(Q&A)

Q1.もろみ酢は血液をサラサラにしますか?

もろみ酢そのものに血液をサラサラにする直接的な効果は認められません。
ただし、もろみ酢に含まれるクエン酸には、血液凝固に関わるカルシウムを包み込む「キレート作用」があり、医療現場では輸血用血液の凝固防止にも利用されています(参考文献:リチャード・ルーイソン「血液の保存」|テルモ)。
この働きにより、体内でも血流をサポートすることが期待されます。
また、クエン酸はクエン酸サイクルを活性化させ、代謝を促進することで乳酸の分解を促進し、血液をきれいにします(参考文献:不規則な生活でドロドロ血液の人が増加中?血液をきれいにするクエン酸効果|健栄製薬)。

Q2.もろみ酢はコレステロール値を改善しますか?

もろみ酢がコレステロール値を直接下げるという、ヒトでの報告は確認できませんでした。
しかし、泡盛圧搾粕を投与したラットにおいて、脂肪肝が改善し、コレステロール値も低下したという報告があります(参考文献:日本食品科学工学会誌2010年57巻3号p.93-99)。
もろみ酢に含まれるアミノ酸やクエン酸が代謝をサポートすることで、脂質代謝に良い影響を与える可能性が期待されます。

Q3.体に良い酢はどれですか?

体に良い酢は、摂取の目的や体質によって異なります。
疲労回復や肝機能サポートを期待する場合は、クエン酸が豊富なもろみ酢がお勧めです。
内臓脂肪の減少を期待し、料理の調味料として日常的に取り入れたい場合は、機能性表示食品を標榜している黒酢が適しています(参考文献:黒酢ドリンク|ミツカン)。
また、フルーツ酢は飲みやすく調整されており、美容目的に人気があります。
いずれも適量を守れば健康維持に役立つ可能性がありますが、自分の体調や目的に応じて、バランス良く食生活に取り入れることが大切です。

まとめ:もろみ酢が肝臓に悪いは嘘!今日から始めるもろみ酢健康習慣

もろみ酢が肝臓に悪いと言われるのは、食酢の強い酸と混同したことや、過剰摂取への懸念、他の健康食品と同様にとらえられた誤解によるものです。
実際には、アミノ酸とクエン酸を豊富に含み、適量を取り入れると肝機能をサポートするはたらきが期待できる、むしろおすすめの健康飲料です。
一方で、飲みすぎや加糖タイプの糖分は肝臓に負担をかける恐れがあるため注意しましょう。
また、持病のある方は、事前に医師に相談すると安心です。
一日30ml程度を1~2回に分けて毎日続けると、もろみ酢の健康効果が期待できます。
正しい知識を持って、毎日の健康習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修者コメント
監修者の写真

もろみ酢はクエン酸やアミノ酸を豊富に含み、適量であれば肝臓への悪影響はなく、むしろ疲労回復や健康維持に有用な飲料です。しかし「体に良い」と過信し、加糖タイプを飲み過ぎると糖分過多で肝臓に負担をかける恐れがあります。健康効果を高めるには、無糖製品を選び、用法用量を守ることが重要です。正しい知識で日々の習慣に取り入れ、健康生活にお役立てください。
【監修】オオサカ堂 コンテンツ制作チーム(薬剤師在籍)

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